狂科学者のパワースーツ開発(3)
「さてさて、どうやって改良したものか......。」
ハルトは研究室の工房で一人頭をひねっていた。
現状改善したいのは、
反応速度とサイズだ。
特にサイズの方は深刻で、反応速度は魔法陣の精密化である程度改善できるが、如何せんサイズダウンは難しい。
叔父さんのギミック付き義手を作った時だってフレームと射出装置の組み合わせ方に数日は悩んだ。
前世では人工筋肉内臓インナーっていうのも開発されていたにはされていたが、出力や機能がゴミだったんだよなぁ。ほんとに姿勢サポートって感じで数メートル跳躍できるとかいう身体能力の向上はできなかったはず。
理想を言えば自由自在に硬化する素材が欲しいところ。
それでゆるーくフレームを作れば、柔軟性があるけど、負担がかかる時だけしっかりとした骨組みとなるって感じにできるだろうし。
現状でも多数のパイプを糸で連結させれば作れなくはないけど、どうしても強度に問題が発生するしな......。
どうすれば良いのやら。
着るタイプにするならば固定も緩くなるだろうし......
ん?
固定?
ちょっと待て、
体幹部にフレームを集中させればあるいは......
よし早速作ってみよう。
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「エルシー? 次はこれを着けてみて。」
「わかったです。」
動作感知を十全に機能させるべく薄着姿でいるエルシーの全身に試作二号機を取り付けていく。
今回は背中の背骨に沿ってフレームを装着し、そこから各関節を覆うサポーターみたいな奴で中継しつつ至るところに人工筋肉から延びているワイヤーを接続した形で、結構スマートだ。
「じゃあ、動いてみて。」
「はいです。」
いやあ、どんな実験結果になるか楽しみだ。
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