狂科学者、OHANASHIする。
「ほう、お前がわしの娘を救ったという件の少年か。名は何という?」
眼光鋭いな。俺がただの子供だったらちびってたかもよ?
「ハルトと言います。」
「なるほどなるほど、ハルトというのか。で、お前がわしの娘であるユアをごろつきから救ったと聞いたのだが......それは本当か?」
まずは事実確認か、
「確かにユア様を助けてこちらの領主館まで案内しました。」
ユアも貴族だ。
対外的には敬わなければならない。
「ほう、助けたと。わしが聞きたいのはそこだ。どのようにして、助けた? ユアの説明は些か現実味に欠けていてな。」
そこかぁ~
では時間を奪われたストレス発散も兼ねて実証してやるか。
「では......どこか広い場所と男性の方を三人貸していただけますか?」
「ふむ、なぜだ?」
「実際に再現し、ご覧になるのが一番早いと思いましたので。」
「なるほど。一理あるな。用意させよう。」
なんだ、以外と話が通じるじゃないか。
****
「さて、お前がどうやってユアを助けたのか、見せてもらおうか。」
「もちろんです。」
ごろつき役の騎士三名を現場通りに配置して、数歩下がる。
「こうしたんですよ。」
制限一割解除。
周囲に漏れ出す存在感。
「むっ」
ちらりと横を見れば公爵の息苦しそうな顔がよく見える。
ザマア。
大人一人分ほど跳び上がって腰を一気に捻り、騎士三人の真ん中で回し蹴りを放てば、
スパァァァァァンと良い音を立てて甲冑に当たり、脳を揺さぶられて気を失いながら地に伏す三名。
「お分かりいただけましたか?」
そのまま存在感を抑えずに近寄れば、威圧されて後ずさる公爵。
よし、その顔を見てスッキリした。
ではここからは文明人らしく語り合おうじゃないか。
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