狂科学者、義手に〇〇を仕込む。
ふっ
ふははっ
ふはははははっ
ようやく完成した。
「というわけでこの義手を付けてみてください。」
「......何がというわけなのかは分からないけど......これでいいかい?」
甥の研究所の実験場まで引っ張って来られ、差し出された義手に付け替える叔父。
「はい。ちょっと触りますよ。」
と言いながらハルトは外装の肘辺りに空いた細い穴へ針を差し込み、魔力を流す。
「今の感覚、つかめました?」
「ああ、手首を思いきり前に曲げる感じがしたよ。別に何処も動いてはいないけどね。」
「では、魔力を込めながらさっきの感覚通り全力で右の手首を曲げてください。」
「わかった......よ!!??」
バスンッ
瞬時に手首が畳まれ、前腕の外装が割れて顔を出す細い金属の円筒。
そこから高速で発射された杭は少し遠くまで直進した後、的にぶつかって一瞬青白い閃光を放出した。
「おお~。」
初めて作ったギミックの成功に歓声を上げるハルトと、
「は、ハルト君、これは何だい?」
甥の発明品に困惑するレント。
そしてハルトはもちろん解説を始めた。
「これは生身にはない新しい機能を追加した義手です。今回作った試作品では魔道具を打ち出せます。今回仕込んであるのは強力な雷を放出する魔道具で、非常時に相手を殺害若しくは行動不能にするための機能です。」
参考にしたのはロック〇ン。
ただ手は仕舞えないので折りたたむ形だ。おまけに単発式。
「このような感じに魔道具を内蔵した義手も作れるようになったのですが、何か欲しい機能とかありますか?」
叔父さんは魔道具も多用してドラゴンと戦っているのでこういうものも入用だろうと作ってみたのだ。
もちろん楽しかったぞ。
こういう変形はロマンが溢れているからな!!
俺が研究者になった一因として最強のヒーローが持つ特殊能力やロマン武器に憧れたというものがある。そのくらい俺の心は純粋なのだ。
「助かるね。じゃあ......こういう機能を頼めるかな?」
「ふむふむ......大丈夫ですよ。」
「じゃあ、お願いできる? お金は出すよ。」
「勿論です!」
「いろいろと悪いね。」
「楽しいので気にしないでください。」
これは楽しくなるぞ......
早速相談された機能をどうやって義手に盛り込んでいくか考え始め、ワクワクしてきたハルトであった。
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