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狂科学者、起業する。


 空の魔石へ魔力を高速で充填する設備の開発に成功したハルトは、早速アランに計画を伝えた。


 「......というわけで魔力充填の商売を始めようと思うんだけど、どう思う?」

 「......ふむ、相変わらず突飛なことを考えるな。だが構想は悪くない。最近魔力充填をする魔法使いも減って、魔石を使い捨てにするというやり方が主流になっている中、安く充填する商売は成功する可能性が高いからな。散財できない庶民には石鹸同様人気が出るだろう。」


 「じゃあ......」

 「いいと思うぞ? ただ金策で魔力充填をしている魔法使いも居るから、敵対されないようにな?」


 つまり実質的なゴーサインだな。

 「そうなると充填代はどうする?」

 「そこは相場も考慮して......こんなもんだろ。」

 「そう? じゃあ......」




 親子の話し合いは続く......。

  


 ****



 「あ、リエラ、その魔道具はこのカウンターに置いて。」

 「ここか? 所長。」

 「そう、そこ。メアリーはこの案内を入り口に。」

 「わかりました所長。」


 うんうん、形にはなったな。

 

 アランと話を詰めた結果一軒の空き家をもらい、そこで店を開くこととなった。

 立地も研究所付近のため何かあっても対応できる。


 そして現在は開店前の内装及び機材配置をしている。


 話を詰めたあとに大急ぎで魔石の充填機構を完成させたのだ。試験運転もしたので問題はないだろう。

 必要な機能は魔石に充填された魔力量の数値化と満タンになった魔石へさらに注ぎ込まれないようにするリミッターだ。こうすることで魔石によってばらつきのある容量に適正な料金を算出でき、平等な商売にできるのだ。計測用魔法陣開発には少し骨が折れたが、結構あっさり作れた。


 カウンターで従業員が一つづつ行う形だが、一瞬で充填は終わるので手間はかからない。計算に少し頭を使うだけだ。そこら辺もおいおい自動化したいと思う。


 「エルシー、この看板を外に。」

 「わかったです。所長。」


 そして看板を取り付ければハイ完成。


 『充填屋』

 少々センスがないのは許してくれ。

 地球には充電するだけの店なんて特殊なもん、無かったから名前が想像つかないんだよ!


 まあそういうわけで開店、立ち入り禁止の立て札を取れば、



 ズザァッ


 押し寄せてくる宿屋関係の人たち。

 開店数日前から助手たちを使ってチラシを配らせておいたのだ。

 燃料代から見ると普通に蝋燭買うより照明魔道具の方が質も値段も安上がりのため、宿屋関係は魔石を結構使う。

 だから需要が半端ないのだ。

 だが魔力を充填してくれる魔法使いが減った今、魔石を使い捨てするしかなくなった。魔石一つの方が蝋燭一本より安いのだ。

 そこに現れる格安の魔力充填用施設。

 食いつかないわけがないだろ。



 さてさて、どれぐらい稼げるかな?

 




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