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狂科学者、魔力炉を完成させる。


 完成した発魔機......いや、語呂が悪いな......魔力炉? いいぞ、今日の俺はセンスが冴えている。

 

 「さて、これをどう商売用にするか......。」


 薪が燃料だから格安で魔力を売ったら赤字だし効率も悪い......太陽光で熱を得るか。石油なんてないし。

 だが太陽光から得られる熱量なんてパラボラアンテナのように計算された機材がなければたかが知れている。そして一から作るには大分骨が折れる。


 かといって赤字を出すわけにもいかない。これには俺の大事な研究資金を産み出してもらう予定なのだ。


 さて、どうしたものか......。


 まず要点を整理しよう。

 俺は太陽の光エネルギーを一点に集束させて高温を作り出したいのだ。

 しかし現在の技術力で集束させる方法なんてレンズやパラボナぐらいしか無いし、それらを作ることも困難だ。


 ......いや、待てよ。

 魔道具の方からアプローチしてみよう。


 この世界には火水土風雷無属性の魔力があり、それぞれの司る現象を魔法としてこの世に顕現させられる。

 今回関係ありそうなのは火。

 火属性と言うのは主に熱や反応などの化学エネルギー現象を司る。

 化学......化学か......。


 光の屈折を拡大解釈して無理やり化学エネルギーと捉えれば行けるかもしれない。

 魔法は意外といい加減な所があるからな。


 取り敢えず魔法陣を刻んでみるか。

 「火よ、光を一点に集束させよ。」

 

 そう唱えれば自動的に圧縮、転写、保存処理を行う我が作業台。

 便利になったものだなと感慨深いものを感じながら、魔道具のチップに魔力を込め、光にかざすと、


 「おお......。」

 魔道具の裏数センチ先に集束される光。

 その先に指を置けば、

 


 「あちっ。」

 火傷した。

 体感では50度くらい。魔力使用量も少ないし、十分だ。


 「おーい、手伝ってー。」

 助手達を集め、量産したチップを容器へ張り付ける。

 光の集束先を一点に合わせ、容器内に魔水を注入、魔力炉にして、魔石とチップを接続する。


 そして研究所の屋根に登って採光部が日光によく当たるよう調整しながら取り付けると、


 「これはすごい。」

 電池みたいに出回っているやつの数十倍と比較的大容量の魔石を使っているのに数十秒で満タンになってしまった。普通の魔石であれば一瞬で充填が完了するぞ。


 魔力を過剰に溜め込むと魔石自体が爆発するので慌てて接続を切り離す。

 ここまで効率がいいとは思わなかった。

 一応集束と変換の魔道具で消費しているのにもかかわらずこの効率、一先ず完成だな。

 


 これは良い資金源になってくれそうだ。




 

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