狂科学者は戦慄する
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「......それで、何が起きたのか詳しく説明してくれないか?」
ユアを慰めること小一時間。
漸く落ち着いた幼馴染みへそう問いかけるハルト。
「えっとね......ハル君は情報の処理に結構魔法生物を使っているから、もしもの時のために......」
申し訳なさそうに目をそらしながら言うユア。
......成る程、一理あるな。
使い方さえ誤らなければ、これは魔法生物のシステムが組み込まれた全ての魔道具を停止するのに有効だ。
だが、
「緊急停止用のプログラムで神経まで遮断する必要はないだろう? それに、魔法陣を改変する必要もない。」
そこが納得いかない。
魔道具の機能を停止させるという目的に、運動神経の信号をカットする必要性は皆無。
おまけに停止方法が魔法陣の改変という、修復しづらい面倒なものときた。
これが解らん。
あり得る様々な理由を頭に浮かべるも、答えが見つからずユアに聞くハルト。
しかし、帰ってきた答えは簡潔で、意外なものであった。
「それは......悪戯?」
答えながらも自分で首をかしげるユア。
「悪戯?」
予想外すぎる答えに呆けるハルト。
何をどうやったら悪戯で神経を遮断しようとするのか?
「......どういうことだ?」
やはり理解が追い付かず、聞き返すハルト。
「えっとね......」
そしてユアは経緯の説明を始めたのであった。
****
「......それで、手?がすべってハル君に送っちゃったの。」
「そういうことだったのか。」
経緯を理解し、納得するハルト。
今回の事件が起きたきっかけは、ユアの好奇心だった。
どうやったら魔法生物で構築されたシステムを崩せるのだろうかという、ささやかな好奇心だった。
そして半年かけて頭を捻り、こつこつと作ったプログラムは、当初の目的に沿ったものであった。
本人曰く、完全に機能しなくするために魔法陣を改変する機能を加えたそうだ。
しかし、そこでもう一捻り欲しいとユアは思った。
否、思ってしまった。
そして思い付いたのは、愛するハル君を自由に操る機能を追加することだった。
そのプロジェクト名は、『ハル君とおままごと』
本人によると、使うつもりはなく、ただ作ってみただけらしい。
......本当か?
プロジェクト名に不穏さしか感じられないのだが。
まあそれは置いておいて、とにかくプログラムは完成間近だった。
別で作っていた、運動神経へ介入する機能を付け加えるだけだった。
しかし、そこに俺が現れユアは動揺、うっかり完成前のプログラムを実行してしまったらしい。
......いや、経緯はわかったが意味がわからん。
何でそんな物騒な改変機能を付けたのかもだが、俺を操りたいという願望が見え隠れしている時点で怖すぎる。
実行する気はなかったそうだが......怪しいもんだ。
何せ俺の部屋で変態的奇行に走りながら作っていたからな。
おまけにプロジェクト名がダメだ。
センスに疎い俺でもわかる。
『おままごと』ってなんだよ『おままごと』って
お前はいったい何歳だよ。
ユアの中に自分へのドロッとした狂愛を感じ取ったのか、戦慄するハルトであった。
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