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狂科学者の引っ越し道中

 ガタガタガタガタッ!



 激しく揺れ、小石を割りながら爆走する「車のような何か」。


 それは街を出てすぐ道を外れ、その脇を直進していく。

 

 道ゆく旅人の視線を集め、魔物ハンター達に魔物と勘違いされ、商人の馬車を煽りながら(被害者主観)新サイバストル領まで疾走する金属塊。



 その中で、ハルトは寛いでいた。



 金属塊の中に設けられた部屋一つ分程度の空間。

 そこに敷き詰められた座席に座り、皆一様に目を閉じている。


 

 彼らの暇つぶしとは即ち、投与された魔法生物によって意識をサーバーに飛ばし、窮屈感のない空間でストレスなく過ごす事であった。


 乗り物酔いは感覚遮断で対策できるし、窮屈感も解消できる。



 ハルトは宙に浮かぶ座席に座り、一人黙々と運転をしている。


 周囲は「車のような何か」の側面に一周取り付けられたカメラから取り込まれた風景が反映され、まるで外にいる様なその空間。



 流石に紙の本を読んだり、木製の厚みのあるボードゲームをする体験はできないが、情報として取り込まれた活字は読むことができる。

 盤上のボードゲームでは無いが、中を浮く画面上で同じことができる。


 言うまでもないが......勿論寝ることもできる。



 まあその時はサーバーとの接続を切られるが。


 流石に夢の世界であれこれしている自分を見せるのは恥ずかしいし、夢を見ている途中の非常に不安定な状態である神経活動をサーバーに接続すると、周囲の情報に飲み込まれ、潜在意識が変容する等のリスクも伴う。

 

 そう言った理由から意識が消失した段階で接続が切れるように安全機構が挟まれているのだ。


 

 


 しかし、寝る者は一人も居ない。


 非日常的な出来事に少し興奮しているのだろう。

 そもそも現在は午前なので当たり前と言えば当たり前だが。



 それでも大きな引っ越しだ。

 遠足前の小学生の如く前日に寝れなくてバスの中で寝てしまう的な奴もいるかと思ったが......どうやら杞憂だった様だな。




 後ろで騒ぐ職員達を尻目に、運転に集中するハルト。

 車体が速度を付けすぎて足元の岩に引っかかり、その勢いのまま横転するなどの事故が起こらないようちょいちょい速度や体勢の調整をしているだけで、その作業量は運転と称する割には非常に少ない。



 だが悪路を走破しているため、横転されるとハルトはともかく、体が無防備かつ一般人レベルの職員達は衝撃で死ぬ可能性があるから、手は抜けない。



 空を飛べば関係はないが......まあ今度はそっち方面にも手を出すか。


 幸いな事にこれからは広い土地で自由にできるしな。




 そう考えながらぼんやりと運転していると、



 「あ、所長、アレです。」

 「あそこか。」



 後ろから旅経験があり、地理的な知識の豊富な一人の職員が声を上げ、とある方向を指差す。



 その先に見えるのは王都の城壁ほどではないが、高くそびえ立つ石造りの重厚な外壁。



 元王家直轄領にして、新興サイバストル公爵家の領地の主要都市―――名前はアバロンと言うらしい―――であり、ハルトの居城予定地。






 それが姿を表したのであった。

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