狂科学者は自称凡人
「ちわ〜」
「来たか......。」
「おう、来てやったぞ。手短にな。」
そう言いながらソファーに腰を沈めるハルト。
「......そうだな。」
謎の間を置いてそう言い、ため息を吐く国王。
そして机の上から書類を数枚取り、手渡してくる。
「これは?」
「爵位授与の全工程をまとめてある。全部覚えられるだろう?」
「まあな。」
この程度、補助脳から視界に反映すれば覚えるまでもない。
一応概要程度は頭に入れておこうと書類をパラパラとめくり、ざっと目を通す。
「......成る程。」
謁見の間で爵位授与の宣言。
移動してホールでパーティー。
詳細にまで書かれていたが、大まかにはこの二つがメインだ。
「服も仕立てさせた。後程渡そう。」
「わかった。」
「それと......」
そこで少し口籠もる国王。
「......何だ?」
「頼むから......騒ぎを起こさないでくれよ。」
そう懇願する国王。
失礼な、
それでは俺が疫病神みたいに聞こえるではないか。
むしろ、
「俺は多少優秀なのが目立っていただけだぞ? それをお前らが引き立てて問題が起きているだけだからな?」
そう、俺は被害者なのだ。
そもそも俺にあのふざけた判決を下さなければこのような状況にはなっていなかっただろう。
そう不満を漏らせば、
「多少優秀か......その程度で収まっていれば私の目にも止まらなかっただろうよ。」
意味ありげな笑みを浮かべる国王。
ちょっと何を言っているのかわからないぞー。
「......さて、何のことだ?。」
「抜かせ、天才と呼ばれた錬金術師や魔法使い、その全てが作り得なかった、成し得なかった物を片手間にぽんぽんと開発するお前が多少優秀という範囲であるならば......私を含め、この世界の人間は軒並み凡人以下ということになってしまう。」
「......? いや、俺ぐらいが普通だ。というか件の教育機関さえ完成すればこれは普通になる......してみせる。」
一応女神の意に沿った行動もしないといけない。
奴には今世を与えてもらった恩があるしな。
俺は受けた恩は返す主義なのだ。
「ま、期待しておこう。......頼むから変なことは控えてくれよ?」
「あんたの中で俺はどんな問題児だよ。」
「......何をしだすか分からないびっくり箱?」
この清廉潔白品行方正な俺にひどい言い草だ。
「......どうやらあんたの目は節穴だったようだな。」
そう悪態をつき、ささやかな反撃をするハルトだが、
「それはどうかな? 私はこれでも十数年は国王をしている。」
国王に通じるわけでもなく、軽く流されてしまったのであった。
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