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狂科学者は諦めさせる

 「どうしても......か?」

 「ああ。そもそも......あんたはただ欲しいだけだろ?」

 さっきからその期待した視線が鬱陶しい。

 


 「!? いやっ、これは決して私の個人的な望みではないのだ!」

 どうしても欲しいのか何やら語り始める国王。

 動揺の仕方が図星をつかれた人のそれなんだが。

 


 まあ、話は聞いてやるか。

 そう考え、先を促すハルト。


 「......私は国王だ。」



 知っている。

 


 「その立場上、自由に歩き回ることもできない......いつ刺客が来てもおかしくないからな。」



 俺はつい最近も襲撃されたが。


 てか、

 「......つまり、自由に外を歩きたいと?」

 「......そうとも言う。普段私が行けない城下でも代わりに行けるだろう?」

 「結局、自由に歩きたいと。」

 「そうとも言う。」

 いやそうとしか言わないと思うぞ?

 むちゃくちゃ個人的な願望なように聞こえるんだが。



 そもそも俺はインドア派なのでどこかに行きたいという気分自体がわからんがな。

 まあ城で政治をしているのだし、息がつまるのだろう。




 だが、


 「何を言われても無理だ。あんたには使いこなせない。」

 魔力量的にな。


 


 一応魔石を埋め込めば増えるが、この手法はまだ公表できない。

 ましてや国王に施術するなど論外だ。


 魔物を倒せば手にはいる魔石を埋め込めば魔力が増える。

 これだけの曖昧な知識が出回れば、未だ医療や教育が進んでないこの世界のことだ、死者が大量に発生するだろう。



 安全な処置の仕方。

 魔力量に見あった適切な大きさの魔石の確保。

 失敗して全身から血を吹きつつ死んだり、移植時の穴から細菌が入ったり、無謀なことをして死ぬ可能性が高いのだ。

  


 この世界では魔力の多さが強さを分ける。

 魔力量を増やすのに貪欲な連中が生まれるのは必然だ。





 しかしそんなことを起こすつもりはない。




 よって、

 「無理......なのか?」

 「無理だ。おとなしく諦めろ。」



 国王は城に引きこもって仕事でもしているんだな。


 そうはっきりと意思を伝え、部屋を退出するハルトであった。

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