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狂科学者は休憩する

 国王と貴族になる上での式典についてあれやこれやを話し終えた後、


 「......ハル君。」

 「悪かったな。」

 「ううん! ......戻ってきてくれただけで嬉しい......。」

 「そうか。」


 「でも......」

 「何だ?」



 「今日は一緒に寝て良い?」

 「いや、無理だ。」

 「えー」



 

 ハルトは非常にのんびりとした一日を過ごしていた。



 勿論刑罰(笑)にある王女の部屋で謹慎するという内容を、王女の部屋を主な居住空間とする事で絶対にその場所に居なければならないという制約から解き放たれたからである。

 国王の命令で部屋を移動する分には、その限りではないが。



 そういうわけで、ハルトは久しぶり......という程久しぶりでもないが、学園の寮へと早急に帰還し寛いでいた。

 当然、地上最強生命体No.2もといハルト大好き人間ことユアが突撃している訳だが、その程度のことは些末な事。




 ハルトの発する言葉が何処か思考停止しているようにも思えるが、それでも、

 ドアの前で、

 「開けてくださいハルトさん!」

 「断る。」


 などと懇願するも、拒絶されている王女に比べれば最上の待遇と言えるだろう。




 勿論、ドアの鍵もハルト謹製の魔力による認証システムを噛ませてあるため、前回のようにサラッと開けられるようなヘマもしない。



 


 どちらも少々遠いにしろ血縁関係があるせいか艶のある美しい金髪を持ち、ユアはグレー、王女はブルーと言った風に虹彩の色も似通っている上、顔立ちもまあまあ似ている為姉妹と言われれば信じてしまう程度には似ている。



 そんな二人が一枚のドアを挟んで嘆き、喜ぶ姿は、まるで想い人を寝取られた姉と寝取った妹の図にも見える。

 


 ......真実は全く異なり、どちらかと言えば王子が見初めたシンデレラを恨めしく睨む姉達の図だが。




 


 まあそんなこんなで王女が悲観に暮れるも、物事には終わりというものが存在する。




 「......ユア、そろそろ時間だ。離してくれ。」

 「......殿下に体を許しちゃダメだよ?」

 「......お前は俺を何だと思っているんだ?」

 「えへへ......ねえ、目を閉じて?」


 「......何だ?」


 どうした?




 そうハルトが思った瞬間、




 フニョンと唇に触る感触。

 そして一層濃くなる女性特有の甘い香り。




 「......お前は本当に心配性だな。」


 唇から伝わってくる細やかな独占欲に微笑みを浮かべるハルト。



 「ま、心配するな。俺の貞操は硬いんでな。」


 どっかの誰かさんが悲しまないようにな。




 この数時間で十分英気は養えた。

 後は次の数時間を魔境で耐え切るのみ。

 

 そしてハルトは部屋を出たのであった。



 



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