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狂科学者の長話(1)

 部屋を脱出しようとしたが王女に拘束されたハルト。

 本気を出せば抜け出せるが、加減をミスれば王女の方がミートソースになってしまう恐れがあるため、抜け出そうにも抜け出せないのだ。







 ......それにしても......。



 そんな状況下で思案するハルト。



 

 例え魔力で身体強化をしているとしても、存在値のシステムに組み込まれた俺のスピードに追いつくには並列で運動エネルギーの加算や分子結合の強化を含め、多数の魔法で肉体を保護でもしなければ不可能な筈なんだが......な。


 でなければ過剰な運動エネルギーに体が耐えきれなくなり、先に骨が砕け、筋肉が断裂してしまう。

 魔法の並列行使ができない一般人達は副次効果で強化できたとしてもせいぜい元の二倍程度だ。

 しかも王女は魔法の並列行使ができなかったはず。  




 現在拘束してくる力だって女の細腕で出せるレベルの力ではない。

 人間の胴体を捻じ切れるレベルの力だ。


 何かがあるはずだ。



 何処だ?


 





 「......おい王女、お前は何を()()()いる?」


 そしてハルトの目はとある物を見つけた。

 その細い腰を締め上げるコルセット、その内側に。



 それは背骨に沿うような形で背中の中心に張り付き、魔力を体内とやりとりしていた。

 魔法生物レベルではないにしろ、極めて小さな魔法陣が多数連結し、信号の明滅具合から高度な情報処理を行っていることが窺える。

 そしてそれ等は王女の脊髄に働きかけていることから、運動神経に介入しているのもわかる。



 しかしそんな高機能な代物はこの世で俺以外に作れるものはいないだろう。

 居たとしたら天才錬金術師として話題になっている筈だ。

 つまりいまの時代に制作された代物でもない。



 となると、だ。



 「......それも古代遺跡の遺産か。」

 「正解です! ハルトさんを捕まえるためにお父様からもらいました!」


 随分とぶっ飛んだプレゼントだな。


 


 成る程。 


 「......なあ、古代遺跡を全部貰って良いか? 勿論結果は渡そう。」

 「ふむ、全部と来たか......対価は? それは私が古代遺跡のある場所の一部を与える対価だろう?」


 複数あるってことか。

 なら仕方あるまい。

 研究のためだ。

 「あんたが知りたかったもう一人の俺について教えてやる。」


 「交渉成立だな。」

 「だな。」


 誠に遺憾だが......まあその程度でこの好奇心を満たせるならば安いものだ。 

 というか国王の求める対価が微妙に安く感じる。恐らく元から押し付ける気満々だったんだろう。



 「関係書類をすぐに作らせる。もう一つ話があるからもう少し待て。」

 「ハイハイ......とっとと済ませようぜ。」

 流石に次で終わりだろう。





 「お前へ公爵位を授与する式の話だ。」

 「え゛」



 なんだそれは。

 後「もう少し」ってレベルの案件じゃないだろ。

 

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