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狂科学者は出席する

 「ハル君? そろそろ朝御飯だけど食堂、行く?」

 「別に食わないが......来てほしいか?」

 「......ううん、殿下達に捕まっちゃう。」

 

 それもそうだな。

 今頃俺が動かないことが発覚して王城では大騒ぎだろうし。

 そういえば今はどんな状況だ?



 そっと目を閉じ、本体の視界を開くハルト。



 そこには、


 「おおっ!? 目が覚めたかハルト殿!」

 

 いや誰だよ。

 俺は知らんぞこんなモノクルを掛けたおっさんは。

 だが向こうは俺を知っているらしい。



 助けを求めるように周囲を見回したハルトの目には国王と王女の姿が映った。

 

 「おい、これはどういう状況だ?」

 「お前こそ何をしている? 娘が泣いてしまったではないか。」

 「んなことは知らん。勝手にパニックになって勝手に泣かれても俺が認知する問題ではない。」


 「ハルトさんっ!」



 小走りに突撃する王女。


 しかし、バチンッと結界に弾かれた。

 そのまま何を思ったのか泣き崩れる。



 

 取り敢えず、

 「そろそろ学園に行かないと遅れるぞー。」


 

 

 

 そう言ってハルトは視界を閉じたのであった。




 

 ****


 「ひとつお知らせがあります。今日から三ヶ月間、ハルト君は謹慎することになったそうです。」

 「先生......ハル君は居ますよ。」

 「はい? え? ハルト君......あなたなぜ......?」

 謹慎している筈の奴が普通に出席していると言う異常事態に混乱する教師。

 教室にいる生徒達もざわついている。


 まあ確かに本体の方は絶賛謹慎中と言うか軟禁されているが。

 


 「......君は本当にとんでもないことをするね......。」

 「そんなに誉めるな、大したことではない。」

 「誉めてないからね?」



 王子の呆れ顔を軽く流すハルト。

 

 「......どうやったんだい?」

 「なに、身代わりの体を作って動かしているだけだ。謹慎しているのも暇だろう?」

 「いや、謹慎していることに意味があるんだからね? そこ本当に分かっているのかい?」

 「ふむ......ではなぜ俺が牢獄でも何でもなく、王女の部屋に軟禁されねばならないのだ?」

 全うな理由がほしいものだな。

 俺を納得させられたら大人しく軟禁されてやろうじゃないか。



 「......今回ばかりはまともな意味はなさそうだけど......君の血かな? 生々しい話ではあるけど、君の血筋には今や千金の価値があるしね。まだ余り知られていないし実感無いかもしれないけれど。」

 

 うへえ......。

 貴族といい王族といい、ほんとに好きだな。

 魔力量重視のくせして魔力量との相関関係が皆無な血統を良くこれまで保ってきたもんだ。


 



 そんなこんなで授業を聞き流すこと数時間、

 何事もなく部室に向かうハルト。




 そんな平凡な一日を終える、






 「ハルト君、学園長が呼んでいますので行ってきてください。」




 ......予定だったんだがな。

 

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