狂科学者は頭が痛い
「......そういえばお前はメルガルト嬢と非常に親しいようだが......どのような関係なのだ? ああ、これはあくまでも私の興味本位だ。気遣いは無用だぞ。」
うわー
興味本位とか言って絶対こっちが本命だろ。
ハルトはジト目で見るが、国王の方はどこ吹く風といった様子。
「知っての通りだが、向こうは俺を手放したく無いと必死らしい。幼馴染みなんでな、俺も勉強や魔法を教えたり、研究所で遊んだり色々優遇はしてやっている。そういえば......最近は俺の部屋に添い寝しに来たな。」
「......添い寝だと?」
なぜか過剰反応する国王。
別に親しい者同士が一緒に寝る分には問題ない気がするんだが......。
俺まだ二十歳じゃないから子供だし。
ん? この世界では十五で大人だったか?
俺は十三歳だが......もしかして不味かったか?
「お前......ユーフォリア嬢と結婚する気か? いや、私の娘から聞くに随分仲睦まじい関係のようだが。」
「うん?」
なぜそこで結婚の話が出てくる?
表情に疑問が表れていたのか、
「もしかして......添い寝の意味するところを知らないのか?」
そう国王が聞いてくる。
しかし俺はそんなもん知らないので、はて? と首を傾げる。
「......お前は倫理観を何処かに起き忘れてきたのか? ......一応教えておくが、未婚の男女が同じベッドを使うというのは普通、婚約した者同士であるということを意味するぞ。」
そうなのか。
まあユアの事だ。先日は寂しすぎて来たんだろう。
マジで結婚する気なのかもしれんが。
ま、もう貴族になるのは決定事項だし、抵抗はゼロだな。
むしろ変な奴と結婚するよりはユアと結婚した方が気持ちの良い日々を過ごせるだろうな。
「ま、良いんじゃないか? 俺が貴族になるという憂き目に遭っているのもユアが公爵家をプッシュしたからなわけだし、向こうはむしろ積極的な節すらあるぞ? 別に俺自身も気心が知れているから嫌ではないしな。」
「成る程......ところでハルト、お前に一つ提案がある。」
提案ねぇ......。
俺は分かるぞ。
というかこの話の流れだ。行き着く先は自明とも言える。
「メルガルト家の娘と結婚するのは応援しよう。」
いや、まあ、それは有難いが。
面倒事が少なそうだ。
「......ついでに私の娘とも結婚しないか?」
それは要らん。
てか、娘をついでと言い切るんかい。
国王の提案に激しく頭痛を覚えたハルトであった。
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