狂科学者は紅茶を楽しむ
「ふー......。」
「お疲れ様。ハル君! はい、お茶。」
「お、ありがとな。」
紅茶か......そういえば棚に何となく置いてたっけな。
どうやら見つけて淹れてくれたようだ。
部室のコンピューターのメモリや演算部分を拡張していた手を止め、湯気の立つ紅茶の入ったコップを受け取る。
......と言っても回路のモジュールを追加して回路を接続しただけだけどな。
特にやったことと言えばCPUを五十基のマルチコアにしてプログラムに変更を加えたぐらいか。
それも研究所では既にやったことのある作業だが。
元々回路のナノサイズ化がしてあり処理速度は高かったが、これで更なるマシンパワーを発揮できるようになったわけだ。
これで深層学習のシミュレーション等、マシンパワーを求められる作業も捗るだろう。
どれどれ......
「......お、紅茶入れるの上手いな。」
苦味が少ない。
「本当?」
「ああ。」
紅茶は入れ方次第で味が変わるからな。
この世界では紅茶パックなんて無いので、茶葉を網状のカップに入れて淹れている。
そうすると茶葉の量やお湯の量が大事になってくるわけだ。
公爵家令嬢は普通紅茶を淹れるなんてしないだろうし、恐らく練習したんだろう。
誰のためかと言えば......まあ俺の為だろうな。
こいつが紅茶を淹れようとする相手が俺以外にいたら教えて欲しいぐらいだ。
「ありがとうな。」
「どういたしましてっ!」
そして暫しの休息を堪能するハルトであった。
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