狂科学者は脱出したい
急に落ち込み始めたユアを慰めていたハルト。
「......泣き疲れたのか。」
寝てしまったようだ。
全く......俺はお前のタクシーでは無いんだぞ?
ハルトの膝の上に頭を乗せ、寝ているユア。
ため息を一つ吐き、ユアの膝下と背中を両腕で支えて持ち上げる。
そのまま一度ベッドに寝かせ、ドアを開けたハルトは、お姫様抱っこでユアを運び出した。
****
さて、
どうしたものか。
ハルトは現在起こっている出来事へ思考を巡らせていた。
小さな侵入者を部屋に戻して自室に戻ってきたのは良いんだが......
「ハルトさん。開けてくださいませんか。」
「断固拒否する。」
今日は何しに来たこの王女ッ!
そう、
ハルトの部屋の扉、その向こう。つまり部屋の外には、ここ、ウェルマニア王国の第一王女、ラファエラ・ジェラード・ウェルマニアがスタンバッているのだ。
呼んだ覚えは勿論ない。
鍵は開けんぞ。
諦めろ。
「仕方ありませんね」
次は何を―――!?
ガチャリ
そしてあっさりと開く扉。
何故だ!?
何故こいつが俺の部屋の合鍵を持っている!?
いや取り敢えず、
「お引き取り願う。」
「きゃっ!?」
瞬時に突風を起こすだけの魔法陣を展開し、起動する。
突然の強風に部屋に入りかけていた王女は踏鞴を踏み、外に出る。
バタンっ!
その瞬間、ハルトは扉を閉め、近くに転がっていた魔道具の魔法陣を破壊、素材に還元して扉のわずかな隙間を埋め、固定した。
ガタガタッ
「......諦めろ。お前程度の腕力じゃ無理だ。」
「くっ......後数秒あれば......。」
いや何する気だったんだよ?
こりゃ少々掃除する必要があるな。
なんせ向こうは合鍵を持っていたのだ。
今まで俺の部屋に入り放題だったはず。
何が仕掛けられているか分かったもんじゃ無い。
瞬時に探知系魔法陣を部屋中に展開、部屋全体に不審な物質及び魔力反応が無いか確かめる。
......取り敢えず無さそうだな。
ガタガタッ
まだ居るのか。
さて、
どうやってこの部屋から脱出したものか。
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