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狂科学者は受け入れる

 ハルトと国王は、公爵位を授与するにあたっての待遇について話し始めた。


 国王側の想定としては、


 王家が保有している領地の中から公爵家に相応しい大きさの領地が与えられる為、そこを統治し、税金を納めて欲しい。但し最初の数年間は税を免除する。

 領地は最低限治めれば良い。やり方は任せる。

 他の貴族といざこざが起きた場合、出来る限りフォローをする。だからといって調子には乗るな。

 貴族間のコミュニケーションは、そもそも何処の派閥にも所属していないので必要はないだろう。しかし最低限の式典等はメルガルト家と協力して行ってもらう。


 

 

 ......とまあ、大体こんな感じだ。

 

 思ったよりも優遇されていて拍子抜けしたが、まあそれ程に俺の存在を欲していると言うことなのだろう。

 まあ、それなら此方の要求もだいぶ減る。


 俺が要求したいのは、


 新しく研究の為の教育機関を創設する権利。

 

 

 「......本当にそれだけなのか?」

 それだけだ。

 「思ったよりも待遇が良かったからな。もう少しこちらを縛ってくるかと思ったが......お陰で此方は拍子抜けだ。」



 もう既に大分優遇されているし......こんなもんで良しとしよう。

 これだけでも貴族達には嫉妬の対象にはなるだろうしな。


 二術院で貴族達に恩を売っておいたのがここで役に立つとはな。

 義肢やMOで治療した彼等は、最早俺の協力無しで今の健康的な生活を送れない。

 そんな彼等は俺に手を出せないし、誰かが俺に何かをしようとするのを知れば、己の生活水準の為に阻止しようとするだろう。


 多少の妬みや嫉み程度は十分に対応できるはずだ。


 「ところで......『研究の為の教育機関』とは?」 

 


 「そのままの意味だ。学園と違い魔力や武力、歴史ではなく、知識を蓄え、思考を鍛え、研究者を育てる場......そういうのを想定している。」

 てか前に研究機関と教育機関の見直しが必要だってあんた自身が言っただろ。



 「学園の教育方針を変えるだけでは駄目なのか?」

 確認するようにそう聞いてくる国王。

 


 「俺が想定している教育水準を満たせる教師が居ると思うか? それなら武術や礼儀作法を教える方が役に立つと思うぞ。」


 そもそもの教える側の知識が足りない。

 それでは教えるにも教えられないからな。



 「......それもそうだな、分かった。その要求は受け入れよう。近日中に爵位授与の為の儀式を行うが......これで良いか?」


 「まあ......妥当な落とし所だな。それで良い。」

 



 こうしてハルトは貴族への仲間入りを受け入れたのであった。

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