表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/316

狂科学者は落ち込む

 「......。」

 「......えっと、ごめんなさい。ハル君。」

 「......いや、もうそれは......良い。いや、良くはないが......」

 「......ごめんなさい。」


 教室の隅に漂う、暗いオーラ。

 そこにはハルトが突っ伏していた。

 前世ではよくある表現だったが、この世界でハルトは強大な魔力を保有しているのもあって、比喩という域を超えている。

 本人が落ち込みすぎているため制御が甘くなったそれは大量に漏れだし、負の感情を漂わせ、周囲に悪寒を感じさせるのだ。




 ......どうしてこうなった......。


 ハルトの脳内はそんな思考で埋め尽くされていた。

 

 いや、

 どうしてこうなったのかは分かる。

 

 

 俺が遠くに行ってしまうことを恐怖して、縛り付けようとしたユアが暴走した。

 それに尽きる。

 国王の思惑や俺の言動も問題なんだろうが......大筋はそんなもんだ。


 どちらかと言えば......何で俺が、というのが正解だろう。

 

 前世で一般ピープルしていてもこちらの世界の貴族より良いもんが食えた。

 着るものの質も段違いだし、向こうには便利なスマホもあった。

 そんな平民生活を謳歌していた俺にとって、貴族というのはただの重りだ。

 こちらの価値観からすれば貴族になるのは何十年に一度あるかどうかの大出世だが、俺にはとても理解できない。

 

 望む望まない以前に興味がない。


 しかし......既に賽は投げられてしまった。

 近いうちに親父たちのところにも何らかの知らせが届くだろう。


 

 「......はあ......取り敢えずやってしまったことは仕方ない。」

 「......ごめんなさい。」

 「だからもう謝るのはやめろ。」

 「うん......。」


 なんか調子が狂うな......。

 いつも元気なユアが落ち込んでいるのを見るのは気分が悪くなる。

 


 「ま、気にするな。」

 取り敢えずは、ユアの気分を盛り上げないとな。


面白い! 続きが気になる! という方はぜひブックマークと下の☆をクリックお願いします。


感想、気になった点、世間話、その他ありましたら是非書いてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ