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狂科学者の人格改造


 ハルトは眺めていた。

 今朝走らせていた『罠』に引っかかった哀れな『犬』達を。


 急造した洗脳装置により、強制的に人格を『交代』させられた彼等の足掻きを。



 ......まあ、

 所詮他人事だが。

 確かに苦しいだろう。

 だがそれに共感はしない。

 する必要がないしな。


 

 この機械は魔法生物を通じて対象の脳味噌を洗脳することができる。

 本人の物では無い、記憶や経験、それに付随する身体感覚や思考パターン等の刺激を増幅し、視覚や聴覚、投与した魔法生物を通して叩き込むのだ。

 脳味噌から情報を引き出せる鍵は本人の人格のみだが、この機械はそれを捻じ曲げる。


 強度の刺激と細胞単位で行使される複数の治癒魔法によって短時間で人格は統合され、適正化された新しい人格は元々あった記憶を持ちながらも別人として振る舞い始めるわけだ。


 つまり、

 こいつらは仕事のプライドやらなんやらで口を割らないが、別人となって仕舞えばそんな柵は無くなる。

 今物を考えている自分の事じゃないし教えてもまあ良いか。

 そんな思考になるわけだ。


 我思う、故に我あり。

 前世の世界であった中々の格言だ。

 

 

 今回使用した試験用データはMB達の脳から提供してもらった。

 首が切れただけとはいえ、一旦死ぬ思いをして助けられた彼等の思考は俺への忠誠心に溢れている。

 情報を引き出すのもさぞ円滑に進むことだろう。



 そんなことをのんびりと考えながら刺客達の新たな目覚めを待つハルト。



 こうしている間にも脳の適正化が進んでいる。

 本人が拒絶していたせいか、彼等の体内魔力が治癒魔法を阻害して上手く行っていなかったが、ようやく飲み込まれた様だ。

 所詮生身。

 疲れ知らずの機械が送り込む浸食には耐えられなかった様だ。



 画面に表示される数値も段々想定していた範囲へ収束してきている。



 そして、




 「お、終わったか。」

 洗脳は完了した。

 時間にして1時間か......結構かかったな。


 彼らの目から既に反抗の色は消え失せている。

 大分良い感じになったのではないだろうか。



 眼球や頸部に刺さったあれこれを引き抜き、


 

 「さて、お前等の持つ全ての情報を提供しろ。お前等だったものが俺を襲った経緯の全てをな。」

 そう語りかけるハルト。


 では早速、


 実験結果を確認してみようではないか。



 人の心を改竄する新技術のな。

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