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狂科学者は動き出す


 ズルズルズルズル......


 死んでいない方がおかしい状態のハルトに引き摺られる刺客達。


 「......何だったんだ?」


 「......さあ? というかこれ、血なのか? 妙に臭わないんだが......。」



 彼等は静かに建物の中へ消え、通りの治安は守られた。

 路上にはまだ赤い液体が残っているが……きっと雨が洗い流してくれることだろう。




 ****



 「おい、タオルを持ってこい。」

 「はいっ!」


 刺客達を縛った紐を片手に、そう従業員へ命令するハルト。



 差し出されたタオルを片手で受け取り、全身の至る所から滴る赤い液体を拭き取る。

 タオルで拭き取られた裂傷や穴は嘘の様に閉じ、更なる液体の流出を止める。


 そして粗方全身を拭いたハルトは、二階へ続く階段を上り始める。

 

 片手から伸びる紐の先で鈍く、リズミカルな音が響くがお構いなしに上がっていく。


 


 「......さあ、着いたぞ。」


 とまた誰に聞かせるでもなく呟くハルトに、すっかり顔面を腫れ上がらせ、全身に軽度の打撲を負った刺客達が前を向けば、



 「「「「「「なっ!?」」」」」」



 そこには、

 暗殺を依頼され、

 襲撃したが死なず、

 手練れである自分達を容易く捉えて見せた暗殺対象。



 ニコラ商会の一人息子であり、ウェルマニア王国の魔法学園首席である本日の暗殺対象。


 現在自分達を縛った縄を持って横に立っている筈の、




 ―――ハルトが座っていた。




 ****



 

 ガシャンッ!

 「「「「「「!?」」」」」」


 どちらが本物でどちらが偽物か、

 自分達が襲ったのは偽物だったのか?


 目の前の悪夢の様な光景に混乱していた刺客達を現実に戻す重い音。


 見れば、己の両手両足を拘束する円状の拘束具。

 

 グググッと抵抗虚しく、力ずくで広げられる手足。


 先程まで縛られていた紐はいつの間にか解けているが、状況は何も変わっていない。

 

 寧ろ動けないという点では更に悪化している。


 そのまま流れる様に強制的に起立させられた全員の前で、悠々と部屋の隅にあるカプセルへ向かい、横たわるハルトらしきナニか。





 そして、



 「はー......疲れた。」



 無言だったハルト? が動き出した。


 

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