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狂科学者の父親①


 私はアラン。大手の二コラ商会の商会長にして一児の親をしている。

 そんな勝ち組の私だが、最近悩みがある。


 ミレアと結婚して二年ほどで生まれた息子のハルトがヤバいのだ。


 どうヤバいかって?

 一歳になる頃には言葉をしゃべり、読み書き計算も大人負けにできて、立てるようになったのは勿論、世界中誰もが知らないような知識を持っているのだ。

 その一つに、今まで流通していた油脂と灰汁を混ぜた石鹸よりもはるかに洗浄能力の高い石鹸がある。

 手間がかかるので値段だけを見れば確かに少し高いのだが、従来の石鹸の問題点である臭いがほとんどないのだ。ハルトに聞くと、「塩析がポイント」らしいのだが......塩析が何かというところからまずわからん。


 さらに手間のかかる石鹸づくりの工程を自作の魔道具で短縮したときにはもっと驚いた。

 手に入れたお金で魔法の教科書を購入していたことは知っていたが......数日で何でもない風に一歳児が「魔道具作ったから使って」と言ってくるとはだれが想像できるか!!


 私の常識が正しければ、魔道具って数年間まじめに勉強した魔法使いがようやく作れる品物のはずなんだがなぁ......。おまけに空調や明かりの魔道具ならともかく......成分を分離するなんて特殊な魔道具......そこらへんには売っていないぞ?



 そんな高度な魔道具を一歳児が作ろうと思うその思考は勿論、思い立ってから半日で完成させるとかもはや神童レベルだ。

 いや、もしかしたら神童なのかもしれんな。あの知恵も神に与えられたというのなら理解できる。

 

 十歳になったら商会の後継者にするべく学校で勉強させる予定だったんだがなぁ......。勉強がいるとも思えないし、人脈作りに行かせるか?


 と考えながら、暇つぶしに息子と話そうと二階の部屋へ向かうアラン。



 「お~いハルト、いるか~?」

 とドアの向こうへ問いかけるも、反応がない。

 代わりに何やら微かに金属がこすれる音とハルトのぶつぶつつぶやく声がする。

 

 「......? 入るぞ。」

 気になったのでついついドアを開けてしまったアラン。


 その先には......。

 「やったなモルデモート一世!!」

 と叫ぶハルトと、様々な魔道具が並び、散らばってカオスな状況になっている息子の部屋があった。



 

 

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