狂科学者に溶けるモノ
「ふう......。なんとか逃げられたか。」
さて、
「ユア、そろそろ......っ!?」
突如、ハルトは椅子からバネ仕掛けの人形のように立ち、向かい合うように座っているユアを凝視する。
そして、
「魔法生物の魔力供給が絶たれた......何が起きた?」
ハルトの視界の隅に映るログはユアが体内に保有している魔法生物の機能停止を伝えていた。
それが意味するのは、
―――ユアの保有魔力の消失―――
それに加え、
「......なんだこれは......? ユアの......記憶か?」
己の中にある覚えのない記憶に困惑する。
それらの謎の記憶には基本的にハルトが映っており、ハルト自身の記憶ではない。
第三者視点のの記憶だ。
そしてそれに付随して想起される感情の数々。
思考に時折混じる「私」という一人称。
それらを統合して考えると......
「ユアの魂......そう言うべきモノが肉体を離れ、俺に混じったか。」
魔力は魂に付随し、重要な記憶も魂に保存される。
恐らくそういうことなのだろう。
あの精神世界では意識の境界が曖昧になる。
それだけでは混じり合わないだろうが、ユアは強く俺を求めていた。
そして最後に俺に向かってしたル○ンダイブ。
おそらくあの勢いのまま俺の中に魂が入ったのだろう。
原理はしらんが。
「......ってそんなことはどうでもいい。」
いそいそとユアの体を手術台に横たわらせ、低下する一方の生命活動を魔法で強制的に行わせる。
そして今までのデータからユアの体内に魔法生物を投与、調整を加え、元の状態へと近づける。
そこまでして一息つき、
「『接続』」
再度精神世界へと潜った。
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