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狂科学者は幼馴染みを弄る

 ユアの涙が落ち着いたのを見計らって俺は話を切り出した。


 「さてユア、これからはお前に俺の知識のほとんどを学んでもらう。覚悟は良いか?」

 「......? うん。」


 何を困惑している?

 言い出しっぺはそちらだろ?


 「そうそう、先程の質問の答えだが、魔力は自前だ。人にある成長の限界がないだけでな。操作は......基本的なことは俺が、細かい演算や処理は俺の創った『魔法生物』が体内で代行している。」


 ここの中だと指で頭を指し示すハルト。


 「え? ハル君の頭に住んでるの?」

 「有り体に言えばそうなるな。だが頭以外にも拡散している。お前の親父の頭にも入っているぞ?」


 そしてさりげなく公爵の秘密を暴露する。


 「......え? お父さんの? なんで?」

 「依頼で俺が入れたからな。お陰で書類仕事が楽になったと喜んでいたぞ。」


 「書類仕事......魔法の制御だけじゃないの?」

 「勿論。記憶領域の拡張や感覚の制御、病気の治療もできる。」

 


 「......ハル君?」

 

 ん?

 もしかして何か不味かったか?

 またユアが真面目そうな顔をしているんだが。


 「私にもくれる?」

 そうおずおずと聞いてくるユア。


 そっちか。

 「いいぞ。ユアは身内だからな。」

 俺の中の判定ではな。

 身内でもないやつには渡せんよ。


 「身内......うんっ!」

 

 なんだかとっても嬉しそうなユア。

 泣いているよりは......こっちの方が似合っているな。


 

 そんなことを考えながら部屋の隅に積まれたガラクタからバケツ状の何かを引っ張り出す。


 「それはなに?」

 「『魔法生物』を投与するための魔道具だ。欲しいんだろ? ならこれを頭に被りな。」

 

 そう言って渡せば恐る恐るといった感じで魔道具を被るユア。

 

 「まあ細かい話は後にするが......これはお前の魔力を勝手に使う。大体一日にお前の持っている十分の一ほどだ。良いな?」

 「うん!」


 「じゃ、始めるぞ。」


 そして魔道具に大量の魔力を注ぎ込む。

 内部では回路を魔力が駆け巡り、魔法生物が発生、ユアの脳に浸透していく。


 数が揃ったのを見計らい、魔力供給を停止、ユアに適合するよういくつかの調整用パラメーターを弄れば終了だ。


 「目を開けてみろ。」

 「え......わぁ。」


 視界の僅かな変貌に驚くユア。

 まあ取り敢えず、

 「今からそれを十全に使えるよう、練習してもらう。しっかり操作を覚えろよ?」

 「うんっ!」


 そして、

 いつも通り、幼馴染みの先生をするのであった。


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