狂科学者の部活
学園長に部活制度の導入を提案してから早一週間。
ハルトはまた、学園長室にいた。
「今日は何用だ?」
そう聞くとほれ、と手渡される一枚の書類。
その一番上には『部活制度導入の許可書』と書いてある。
「どうやら貴様の提案は通ったようじゃな。」
そのようだな。
そしてさっと内容を確認する。
ほう。
「......特に変な要求は無かったか。」
「そうじゃな、別に研究結果を逐次報告しろなどという命令は降りておらん。これはわしの考えすぎだったようじゃ。」
成る程。
「この書類を読んだ感じ、あんたに活動内容を宣言して申請すれば成立するようだが......今この場で申請してもいいか?」
「貴様は本当にせっかちじゃな......名前と活動内容をこの紙に書いて宣言すれば許可するのじゃ。」
机の上にあった適当な紙を渡されたので、名前と活動内容を書き綴っていく。
部活名
『魔科学研究部』
活動内容
魔法と世界の研究及び、双方の結果を利用した新技術の開発。
「ほれ、これで良いだろ?」
適当に書いた紙を学園長の眼前に突きだすハルト。
「......はあ、『魔科学研究部』の創立を許可するのじゃ。但し......。」
「わかっている。別に一人でやるつもりはない。」
さて、誰を誘うか。
できれば口の堅い人間が良いが。
そしてハルトは学園長室を後にしたのだった。
****
「君から僕に声をかけてくるなんて珍しいね? どうしたんだい?」
「どうしたの? ハル君?」
不思議そうな顔をしながらやって来た二人に、口を開くハルト。
「まあこれを読め。」
そう言って突き出すのは先ほど学園長からもらった書類。
「読んだらわかると思うが、俺以外に何人か必要だ。......入るか?」
「入らせてくれないか?」
「入りたいっ!」
よし、これで最低限の人数は揃ったな。
そしてハルト主導の部活、『魔科学研究部』は動き始めたのであった。
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