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狂科学者の生徒(3)

 「次! ウェルマニア王国先鋒、ユーフォリア·メルガルト! 対するはエルドルリア王国大将、ハインツ·ジェラード·エルドルリア!」


 これはまた......王族か。


 『魔法殺し』の本名に軽く驚くハルト。

 ジェラードは王族を表し、最後に......国名がついている。

 この世界固有のネーミングだが、まさかな......



 魔力の見えない『魔法殺し』が王族だなんて思いもしなかった。


 そんな情報は聞いていない。

 恐らくだが......隠されてきたのだろう。

 国王とは似ても似つかぬその黒髪。

 第一印象はさしづめ、『魔力無し』か?

 王家に相応しくないと判断されても不思議ではない。


 おまけに黒髪も珍しいからな。

 少し遠くの国にいかなければ見られない色だ。

 まあ色々混じっているようで少し茶髪寄りだが。

 この世界の遺伝もそう変わらんことを考慮すると......隔世遺伝か。


 おそらく王妃だか側室だかの血筋に混じったんだろう。

 第一、第二王子はいるから第三王子か?   

 

 

 「双方、用意!」

 おっと、もう始まるか。

 『魔法殺し』から目を離し、ユアに向けると、こちらはセオリー通り、魔力で身体強化を始めている。


 『魔法殺し』はというと、相変わらず視えない。

 ただ黒い前髪の下で、ユアを見据えていた。



 「......始めっ!」

 

 最初の合図とともに、動いたのはユアだった。

 「『超過重』『融解熱』『雷散弾』」

 

 続けざまに三つの魔法を行使した。

 相手の半径十メートルを下に加速し、疑似重力を追加。

 そこに膨大な熱と、雷の雨を降らせる。


 ......ほう。


 ユアも中々考えたようだ。

 物理攻撃に転換される魔法であれば魔力を無効化されることもないと踏んだんだろう。


 いい着眼点だ。


 しかし......


 魔法の着弾で巻き上がった砂ぼこりが晴れると、そこには悠然と立つハインツ。

 少々服が汚れただけで、目立った外傷はない。


 観客も「ああ、これは死んだな。」みたいなことでも考えていたのか、呆気に取られた顔をしている。


 しかし、ハルトの目は捉えていた。


 ハインツが地を殴り、重力を無効化して、飛んでくる魔法を殴って相殺していたことを。


 魔法によって引き起こされた現象を殴って相殺。

 それを無傷で行うためには、相応の量の魔力を拳に集め、保護する必要がある。

 まあ今のハルトなら素でも無傷でいられるが。


 それを最低でも十回。

 その時点ですでに一般の魔法使い数名分の魔力消費は確実だろう。

 それでも表情に揺らぎはない。

 つまり魔力総量は世界で見てもトップクラス。


 おまけに、身体強化と魔法の迎撃にしか魔力を使っていないため、戦闘継続能力は高い模様。



 それが意味するのは、


 「かフッ。」

 ドサリと倒れ込むユア。

 その横には剣の腹を前面に振り抜いたハインツが立っていた。



 即ち、


 ユアの敗北。


 その瞬間、二連勝したユアの快進撃は止まったのだった。

 


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