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狂科学者、ペットの首に針を刺す。


 「ハルト~頼んでたやつが届いたぞ~」

 下の階からアランの大声が聞こえ、

 「わかった~。」

 それに答えたハルトの部屋に使用人がそこそこの大きさの木箱を担いでくる。

 

 「レナお姉ちゃん、ありがとう。」


 彼女の名前はレナ。この家のメイドで、俺が生まれる前から働いている。たぶん十八歳くらい。最近はよく実験に必要な材料や道具を運んできてもらっている。二歳児の俺にはまだ重すぎるのだ。


 「いえいえ、ハルト様も気を付けてくださいね。」

 そう言い残して部屋から出るレナの首筋は今日もエロい。

 彼女はいつも栗色の髪をポニーテールにしているから、後ろを向いたときに白いうなじがよく見えるのだ。

 

 

 そういうことは置いておいて、ハルトは木箱を開けて中のものを取り出し始めた。


 いくつかの魔石、透明で長い極細の糸、水のような何かが詰まったガラス瓶、ゴムの塊、鉄のインゴット、謎の鉱物等々......。

 それらを出し終えて、おもむろにモルデモート一世へエサをやる。


 作業用魔道具の上に鉄インゴットを乗っけていくつかの短くて細い針を作り、また別の魔道具で全てに極小の魔法陣を刻み込んで魔石と融合。それらを一定の間隔でこれまた鉄で作成したプレートの穴にはめ込んだ。


 今度は透明な糸を魔道具で短く裁断し、一本一本の端をを細心の注意を払いながら先程作った針の頭と融合させる。そしてもう片方の端を引き出しから量産しておいた魔力基板を一つ取り出し、一辺に一本ずつくっつけた。さらに魔力基板のもう片方へ余った糸をくっつける。


この糸はアラクネという蜘蛛の魔物から取れる糸で、とんでもなく強靭な上に、魔力を通す優れものだ。


 仕上げに針以外の部分を薄くゴムで保護コーティングして終了。

 「ふふふ......」


 ゆっくり二時間ほどかけて完成した、魔道具を持ってモルデモート一世の方を向くハルト。心なしか目が光っている。


 「ヂュ......ヂュゥ......」

 恐怖ゆえか、細かく震えながら檻の隅へ縮こまるモルデモート一世は、


 バチィッ

 タイミングよく魔力を流された魔法陣の発する、無慈悲な電気ショックで気絶した。


 「よし、気絶したな。」

 とハルトは嬉しそうに気絶したモルデモート一世を抱え、部屋の隅へ向かう。


 そこに鎮座しているのは、小さな拘束具。

 鉄で作られた拘束具にモルデモート一世の頭と四肢をしっかりと固定したハルトは、

 「えいっ」





 プスっとモルデモート一世の首へ、手に持っていた魔道具の針を突き刺した。

 

 


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