狂科学者の商会作り?(2)
構想がまとまったので先ずは施設となる建物の購入だ。
大怪我は魔物ハンターに多いため、外壁の門付近、それもハンター達がよく使う門の付近に陣取る。
これにはニコラ商会の持つ不動産のネットワークとベテランハンターである叔父さんの意見を考慮して、慎重に選んだ。
纏まった大きさの土地を選び終わったら、そこに大きめの建物を建て、外観を作る。
資材などの一部には研究所で加工した魔物素材もふんだんに使用し、資材自体も予め加工することで一定の強度を保ちつつ素早く建てる。
個室を二十個程作り、ベッドをそれぞれに配置、殺菌の魔道具を設置する。
一番上には超大型太陽光式魔力炉を設置、変換された魔力を溜めるように地下に巨大な高圧魔力バッテリーを設置する。
手術室を一つ作り、光源となる魔道具を設置しまくる。
麻酔や点滴、人工血液用の巨大な冷蔵庫も作成し、各種液体の生産用魔道具を連結、生産ラインも構築する。
こうすることで材料さえあれば即時作れるという寸法だ。
手術用の器具も大量に作製し、殺菌の魔道具が着いた容器内にストックして置く。
手術室には魔力駆動の義腕をいくつも設置し、メス等の着脱が自由にできる用調整する。
これで俺一人でもいくつもの処理ができるわけだ。
まあ追々助手達に教えて丸投げし、俺は研究所に引き込もって悠々自適に研究する予定だがな。
そのうち手術用人工脳の作成にも取り組んでみるか。
そして地下に施設の管理用コンピューターを一台建造し、全ての管理を行えるようにする。
最後に管理用のプログラムを組むんだが......相変わらず恐ろしい程面倒な作業だ。
魔法生物で直に接続できるようになっても一週間はかかった。
そんなことをやっている内に月日は過ぎ、俺も学園の二年生だ。
相変わらず勉強は退屈だし、友達も居ない。
時折変な貴族のバカ息子が接触してくるが、神速といっても良い俺の速さには誰も付いてこれないので今のところ不自由はない。
身代わり人形と接続することで授業中は寝た振りをしつつ研究ができる。
たまに気分が高ぶって現実に叫びだしてしまうこともあるが、些末な問題だ。
俺が変人だと言うことは既に周知の事実。
今さら訂正する必要もないだろう。
最近は主に施設作りに時間を割いていたが......それでも、この店作り、なかなか楽しいものがある。
楽しすぎて朝から授業に出席することを忘れそうにもなるが、今のところはユアが起こしに来てくれるので遅刻は無い。
お礼に今度何か作ってやるか。
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そしてとうとうこの日が来た。
治癒院で治せない大きな怪我や病気を手術と魔法で治す施設、お金を払えば高性能な義肢も作ります。
「二術院」
開院だ。
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