表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/316

狂科学者は研究以外サボりたい

 「お主は陛下に目を付けられたのだ。別に悪いようにはされないわけだし、諦めるのも大事だぞ?」


 「......そうそう諦められるわけないだろ。取り込まれた瞬間解析機関の改善とか言う名目で解析機関所属にされてしたくもない研究を押し付けられるのが目に見える。」

 

 「なにもそこまで悲観しなくても良いだろうに......。」

 「いや、俺にとっては十分悲劇だ。自由な研究を妨害されるどころか取り上げられる可能性が大きいんだからな。」

 女神の言っていた話とは違う。

 奴は自由に研究しろと言っていた。



 「いや、別に解析機関送りにはならないと思うんだが......。」

 「ん?」


 今なんて言った?

 「いや、別にお主が無理矢理解析機関に所属させられることはないと思うぞ? というかお主、陛下と話したときに解析機関は無能だとか言っていたらしいではないか。」

 

 確かにそんなこと言った記憶もあるな......。

 「じゃあどんな扱いを受けると思う?」

 「そうだな......一応お主は世界有数の大商会の一人息子。雑な待遇はないだろうな。王女殿がお主を気に入っているようだし......あの手この手で貴族にでもされるのではないか? 何せあの王女殿だ。」

 

 「王女が望んでいるってだけでそんなに大きなことなのか?」

 「うむ、無論だ。あの王女のことは陛下も溺愛していてな、少々人見知りが激しくて中々婚約者が決まらなかったのだ。そこに現れた魔法の才能抜群、頭脳明晰、容姿も悪くない、武の才もあるお主。性格に難ありだが王女殿は好意を抱いている......十分適任ではないか。貴族の地位なんて陛下が認めれば簡単に渡せるしな。」

 

 性格に難ありは余計だ。


 てか、

 「何で王女は平民を装っていたんだ? 最初から普通にしていれば苛められることも無かっただろうに。」

 「それはな......選別のためだ。」

 「選別?」

 「うむ、陛下は選民思想が強い貴族を叩こうとしたのだ。王女殿は人見知りの改善と選民思想が強い家の発見のために平民を装っている。選民思想が強すぎる貴族は己の領民を軽視する傾向にあるからな。現に幾つかの家には今監査機関が出張っておるぞ。」


 成る程。

 平民を装って人見知り改善という思考が全く分からんが......波に揉まれろって事なのだろう。

 因みに監査機関はこの国の法的警察機関。

 主に貴族が汚職をしてないか調べるのが役目だ。

 


 ......おい、待て。

 「俺が王女の婚約者候補だと? 冗談だろ?」


 「あくまでも可能性の話ではあるが......そうとも言い切れないのだ。今まで王女殿はご家族以外を怖がっていたからな。そこに現れた白馬の王子様? まあ想われる方がどう感じるかは別として......そういった感じなんだろうよ。」


 「......解析機関に大人しく入った方が待遇が良い気がするのは俺だけか?」

 仕事であればいくらでもサボれるし。

 

 王女の婚約者候補とか絶対暇無いだろ。

 

面白い! 続きが気になる! という方はぜひブックマークと下の☆をクリックお願いします。


感想、気になった点、世間話、その他ありましたら是非書いてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ