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狂科学者は令嬢ホイホイ

 「......一人であーだこーだ言ってないで何がどうなってそうなったのか詳しく説明しろ。」

 全く話に付いていけないハルトが抗議の声をあげると、



 「おお、すまんすまん。で、わしがどうしてこういう結論に至ったかと言うとだな......。」

 とっとと喋れ。


 「あ奴がわざわざわしに向かって『貴様の娘には悪いが、あの男は我が貰う』とぬかしてきたのだ。それが頭に残っていてな。あのときは男の指しているものが誰か分からなかったが......そういう可能性もあるのだな。」


 フム、と公爵が頷きながら己の考察に満足しているが......


 「あ奴とは?」

 「おおすまんすまん。陛下のことだ。奴とは従兄弟でな結構仲が良いのだ。」

 「成る程......因みにその、『男』とは?」

 

 凄まじく嫌な予感がするが、確かめないわけにはいけない。

 「ん? 無論、お主のことだ。」



 知ってた。

 大体話は見えてきたぞ。

 平民だと思っていた苛められっこは実は王族で現王女だった。

 俺はそいつを助けた。

 そんで現在俺を捕獲しようと虎視眈々と狙ってきている。



 いや、なんでだよ。

 なぜ俺が助けたのが二人とも貴族とか王族なのだ......。

 俺は別に貴族ホイホイではないぞ。

 おまけに何故俺を狙ってくる?

 一目惚れはまずない。

 俺よりもイケメンなやつなんて普通にいるだろうし別にそんな優しい態度をとったわけでもない。

 人は一時の感情や一瞬の出来事をそんなに保持できないはず。

 エビングハウスの忘却曲線が証明している。

 現に俺なんか研究以外のことは大体忘れている。

 クラスメイトの名前なんて王子とユアと......それぐらいだ。

 

 ん?

 待て......。

 だんだん思い出してきたあのときの光景に疑問を覚えるハルト。

 確か苛めていた側は俺の成績が平民のくせによすぎるっ、つまりインチキだっ......みたいな発言をしていた。

 つまり俺と同じ学年。

 もっと言えば苛められていた側......王女も含めて同じ学年。

 王子も同じ学年。


 ......?

 もしかして王子と王女同い年か?


 「メルガルト公爵?」

 「何だ?」

 「現王子と王女って同い年か?」

 「無論。知らなかったのか?」

 「......腹違いか?」

 「そんなわけない。双子だ。」

 

 異性一卵性双生児か?

 随分珍しい双子だな。



 「と言うか二人ともお主のクラスに居るではないか。」

 「そうなのか?」

 

 王女は初耳だ。

 いや、自己紹介でそんなのがあった記憶も......。


 慌てて先程の画像データから抽出した王女の容姿で検索をかけると、


 該当映像三件。

 俺が教室でマジックサイトを着けている時の視界の端に写っていた。


 確かに何気なくだがこちらをチラチラ見ているな。

 

 「......逃げるのに手を貸してくれないか?」

 「わしは貴族だ。陛下には逆らえんよ。」

 わしは関係ないと言わんばかりにそっぽを向く公爵。

 

 ぐぬぬ......


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