狂科学者はハイテンション
メインコンピューターと脳を接続した俺はこれまでにないほどの全能感に満たされた。
データが、二進数の意味が、その流れが手に取るように分かるのだ。
二進数これまで完全には解り合えないだろうと考えていたが、解り合ってみればなんと単純なことか。
彼等には有ると無いの概念しかないのだ。
外部に出力されているデータはあくまで人類の都合でつけられたもの。
その本質は二つしかなかった。
単純だが、俺のように理解しなければ理解できない感覚だ。
俺の思考が二進数として回路を巡る。
巡った先にある情報が返ってくる。
脳内のアルゴリズムがプログラムとなり、流れていく。
その解け合う感覚はまさに快感。
己が拡張されていく。
これなら......。
ふと芽生えた悪戯心のままにハルトは研究所に意識を巡らし、メインコンピューターに制御されている全てを掌握する。
この部屋が接している通路をたまたま歩いていたミリアの目の前に、幻影魔法で彼女自身を映してみる。
突然現れた自分自身の姿に驚くも、それが幻影であることに気付き、そのまま素通りするミリア。
思ったよりも反応が薄いので躍起になったハルトが風属性の魔法陣を展開して突風を吹かせば、
『きゃぁっ!?』
漫画のごとく見事に捲れるスカート。
ふむ、黒か。
『所長! 所長ですね?!』
何時ものおどおどした口調が完全に消えている。
監視カメラを睨んでいるし確実に気付かれている
あ......やべっ。
今更ながらに己のしでかした偉業に気付き、瞬時にひきつる表情。
そしてハルトは死刑囚が処刑台に上るかのように緩慢な歩みで部屋から顔を出した。
「所長ッ!!」
そこに待ち構えているのは顔を真っ赤にした鬼一体。
「あ......すまん。悪気はなかったんだ。許せ。」
その瞬間ハルトの夕食抜きは決定した。
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