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狂科学者は創る(4)


 魔法陣で作られた器官をいかに全ての脳細胞へ埋め込むか。

 混沌の中を漂う意識や記憶にアクセスするには全ての脳細胞が内包する情報を知る必要がある。


 そのために俺は魔法陣で構成されたナノサイズの球体を脳細胞全ての内部へ固定することにした。

 だがここで問題が発生する。

 本来、魔法陣は二次元だ。

 しかし二次元を多方面へ重ねていけば、それは奥行きを獲得し、三次元となる。

 しかしその本質が二次元の線であることは変わらない。


 すると魔法陣で構成された球体は二次元であり、三次元の存在という不思議な状態になる。


 な~んて考えていると大体訳がわからなくなるのが人の脳だ。

 そんな哲学チックなことは考えるよりも実際に見た方が良い。

 古事記にもそう書かれている。

 いや流石にないか。

 まあ良い。

 データを打ち込んだコンピューターに演算を任せて、詠唱を代理させ魔法陣を創る。

 人の手には余る複雑な条件を一つ一つ読み解き、論理に基づいて詠唱を構成する。

 

 複製

 観測

 魔力吸収

 接続


 取り敢えずプロトタイプに導入する陣の内容はこんな感じだ。

 

 外部の魔力を取り込み、増え、情報を取り込み、発信する。

 生物の養分を取り込み、繁殖し、学習し、外部へ記録する機能を真似てみた。

 有機生命体のような曖昧なものではないが、立派な生命体だ。

 魔法生物とでも名付けるか。


 ちゃちゃっと作成できたので魔力供給を絶やさないよう特殊な容器に保存する。

 もし人の手のみでやろうとしたら数十年はかかるだろう。

 コンピューター様々だな。

 それ以前に肉眼では視認できないのだ。

 いくら魂のフィルターがあったとしてもナノサイズの認識はできない。

 

 

 そういうわけで制御用の魔法陣へ増殖するよう命令を出す。

 まだ要素は少ないし、上手く行けば一眠りしている間にそれなりに増えるだろう。


 というわけでお休み。




 

 気持ちの良い朝日の中、ハルトは机に突っ伏したのだった。


 様子を見に来た助手達が呆れた顔をしながらベッドへ運んだのは言うまでもない。


 

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