狂科学者は改造狂
ビーッ、ビーッ
脳内に響く騒々しい音で目覚めるハルト。
このお陰で毎朝決まった時間に起きるようになったハルトは早速耳の後ろの補助脳型MOを起動し、メインコンピューターと接続、夜間に異常が無かったか確認する。
目が覚めたら部屋から出て軽くシャワーを浴び、さっぱりしてから食堂に直行、MBP達の作った結構美味い朝食を胃に収めて再度研究室に向かう。
これが最近のハルトの朝のルーティーンワークであった。
朝は埋め込まれたMOが脳を揺らす爆音で起床し、飯を食う。
研究所の食事は元々助手達が交代で作っていたが、首から下をMBにした二人が美味いものを作るので最近は彼等の仕事となっている。
朝シャワーを浴びるのは研究に熱中し過ぎて夜浴びないからである。
ちなみにシャワーを浴びるということはちょっと前までは贅沢だったが、最近はニコラ商会が良心的な価格で魔道具を販売しているため、そこまで珍しくなかったりする。
ハルトに埋め込まれたMOは日々進化を続け、今やハルトのバイタル管理、心拍数、呼吸数や体温の制御までできるようになった。
ハルトが連続何時間起き続けたかも計測され、規定時間を超えた場合は警告も出る。
手術室にある器具の一部はハルトの脳波で操作可能になり、ハルトの腕代わりとなったし、MBP達のMBも遠隔操作可能だ。
そういや元死刑囚三人組の名前を決めていなかったな……とひとりごちるハルト。
一応法律上は戸籍はおろか、人権が無い実験体なので記号で呼ぶことにしているんだが……
ふむ……MCというのは良いかもな。
メカニカルサイボーグの略だ。
違いはMBとの置換率。
首から下全てを置換しているかどうかにするか。
俺もMCということになるな。
次は冷却器やヒーターでも入れるか。
……一度何処かでも機械化すると、自分を変える事への抵抗が消えるんだな。
己の思考の変化に感慨深いものを感じながら、ハルトは更なる改造をすべく研究室に籠るのであった。
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