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狂科学者のお楽しみタイム


 手術の準備を終えたハルトはまず全員に麻酔を掛け、切り開いた指の骨にIDタグを埋め込んだ。

 これがないと地下室で働けないからな。

 ちなみに俺の指にも入っていたりする。

 骨格に吸収阻害の陣を刻んで埋め込むから、特に違和感はない。




 後はどんどん内蔵型MB―――メカニカル·オーガン、略してMO―――を埋め込んでいく。

 こちらは支部で毎晩コツコツと作った。


 膀胱には尿を濃縮して水分をさらに回収するMOを、心臓は完全にMOで置き換え、酸素運搬能力の向上を図る。

 肺の内部にもMOを埋め込み、心臓型MOと連結すれば、低酸素状態でもバッテリーを消耗つつ二酸化炭素から酸素を供給できる。

 稼働時間はまだデータがないためなんとも言えないが、これで酸欠になってもしばらくは動けるだろう。

 肝臓には思い付いた限りの毒物を分解できるMOを付け、

 脾臓には強力な異物分解のMOを埋め込む。

 頭蓋にも穴を空け、小型のマジックサイトを隙間に捩じ込む。

 全身の各部位に熱変換MOと熱発生MOを散らばらせ、

 配線を視床と脊髄へ伸ばし、心臓型MOの裏に設置した高圧魔力バッテリーと全MOを繋ぐ。

 更にケーブルを左腕へ伸ばし、左手首の手前で充填用の端子を埋め込み、手術は終了だ。


 治癒魔法で綺麗に治したせいもあって外見は変わらないが、その内部は大分変化した。

 理論上こいつらは一時間程酸欠でも生き延び、少量の水分でも問題なく、心肺機能が人外レベルな上、基本的に毒も効かず、病原菌にも迅速に対応できる。

 余剰な体温は魔力として再利用され、体温低下には各部位のヒーターで対応する。

 脳内にはマジックサイトが埋め込まれているため、情報処理もできるようになるだろう。


 MOは全て防腐処置をした生物の軟体組織で覆ってあるため、違和感もない。


 こんな改造を施して、何をやらせるかというと、生物実験だ。

 まあ本人の体は既に永続的な生物実験場となっているわけだが、

 

 これからどんな研究をすることになるのかは余り分からないが、俺の野望が向かう先を考慮すると、間違いなく生物実験は必要なものとなる。

 ウイルスや細菌の合成、遺伝子組み換え等。

 危険な実験もあるだろう。

 そのため、ウイルスや毒に高い抵抗性を持ち、温度変化や身体構造の変化に耐え得る生きた素体が欲しかったのだ。

 単純に改造人間が作りたかったわけではない。

 断じて……無い。

 女神に誓って……ないこともないかもしれない。

 別に俺は信仰してないし。

 隣の美人なお姉さんレベルだ。

 

 

 まあそんな事はどうでも良い。

 こいつ等の手術は終わったし、本題に移ろうじゃないか。


 そしてハルトは研究所の工房に引き籠ったのであった。

 


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