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狂科学者は考察で暇をつぶす


 ガタタタッ

 あまり良いとは言えない道を進む一つの馬車。

 その外見に反して、内側は快適だ。

 勿論ハルトが作ったサスペンションのおかげであり、元囚人達もあまりの乗り心地の良さに内心驚いていたりする。


 「おはようございます、坊ちゃん。よく寝れましたか?」

 「ふぁ......そうだな......っとそろそろ飯か。一回止めろ。」

 「馬車を止めろ!」

 

 ヒヒ―ンと馬が嘶き、止まる馬車。

  

 目を擦りながら、用意しておいた包みを開き、全員へ軽食だが昼飯を配る。

 

 「MBP-1、MBP-2も少しどうだ? 美味いぞ?」

 そういって二人用に小さめに作られたサンドイッチを手渡せば、普通に食べ始める。 

 咀嚼し、嚥下する。

 顎はあるし、食道もある上に消化器官も残っているからか、二人は食に対して結構こだわりがある。

 大量に食べれないからこそ美味いものが食いたいといった心境なんだろう。


 いざというときには栄養剤のパックを交換するだけで三日間飲まず食わずで動けるが、食事できるようにしたのは無駄ではなかったな。


 

 指も大分自由に動かせるようになった模様。

 最初はぎこちなかった動作も大分自然になったし、日常生活をする分には問題なさそうだ。


 これが生身を超える日が待ち遠しい。

 運動機能が完成したら次はエネルギー補給だな。

 食料を魔力に変換するとか某青タヌキ張りの装置を開発する必要がありそうだが......いや、本人の魔力を増やす、若しくは節約する方に考えた方がいいか。

 そうすれば半永久的に動かせる。


 この世界の人類は無意識に微量の魔力を使い、身体機能の補助をしている。

 魔力欠乏の倦怠感がそのいい例だ。

 前世の人類はそもそも魔力を持っていなかったが、普通に暮らせていた。

 今まで調べた限り、この世界の人類も肉体の組成は同じだ。

 つまり魔力が無くても正常にいられるはずなのだ。

 だが魔力が無くなると倦怠感がある。

 

 一方で、俺は魔力を鍛え始めてから魔力欠乏でも倦怠感がない。

 それはつまり、魔力欠乏は慣れられるということだ。


 おまけにMBPは肉体を大幅削減するため、そこに浪費される魔力は無いに等しい。

 その分を稼働に回せるのは大きい。


 

 一つ問題があるとすれば、肉体の削減によって魔力の生産量が減ってしまうのではないかという懸念があるが......どういうわけかその様子は見られない。


 魔力は肉体ではなく魂に結びついていると考えた方が良いのかもしれない。


 

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