狂科学者は支部が欲しい
さて、しばらくはここに居させても問題ないそうだし、運ぶ手段を考えるか。
取り敢えずは三人。
残りの二人はどうするのかって?
予定通り斬首を体験してもらう。
恐怖体験の後に救いをもたらすことで忠誠心を抱かせるのだ。
杭はしっかり刺さっていた方がいいしな。
三人には取り敢えず研究所の地下で気楽に働いてもらおう。
全員どうせ死人扱いになるので多少の人権侵害は問題ない。
何よりうちの助手達は皆女だからな。
変な真似をされても困る。
もうじき休みに入るし、本格的な行動はそれからだな。
馬車を手配しておこう。
......ちょっと待て。
危ない危ない、大事なことを忘れていた。
王都にも支部を作らないと迅速に手術ができないじゃないか。
うっかり死なせるところだった。
支部は最低限......普通の一軒家で問題ない。
取り敢えず生命維持装置が置ければ良い。
残りの三人はそこで働かせるか。
メッセージでアランに一軒家をおねだりしたハルトは、次に研究所のメインコンピューターの機能を上げる。
といってもコマンドを打つだけだ。
それだけでフレームに組み込まれた魔法陣が余剰空間に回路を増設していく。
これで支部も纏めて管理するのだ。
よし、完璧だ。
予定を立て終わったハルトは満足げに寮へ戻ったのであった。
****
「お父様......?」
「む? ちゃんと今日はフィーの言っていた王子様とやらと話してきたぞ?」
「どうだった?」
「ふむ......難しい質問だな......あれは......」
「あの人は物じゃない。」
「おお悪かったな。彼は......底が知れん奴だった。この私に圧力をかけるとは、たいした傑物よ。」
その晩、王宮から複数の黒い影が城下に降りたとかなんとか。
面白い! 続きが気になる! という方はぜひブックマークと下の☆をクリックお願いします。
感想、気になった点、世間話、その他ありましたら是非書いてください。




