表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/316

狂科学者は人類を教育したい


 そろそろ技術を流すか。

 授業間の休み時間にハルトはそう決意した。


 今の状態では技術は停滞したままだ。

 錬金術界隈ではさまざまな商会が石鹸の研究とかをさせたせいで多少の技術発展は見受けられるが、所詮その程度だ。

 生活の水準は上がったが、消費者は詳しいことを知ろうとしない。

 便利で安いものがあるから買って使う。それだけだ。

 そこで思考停止している。


 そろそろ新たな刺激を投入した方が良い。

 利潤もたっぷり得られたしな。

 これ以上は独占によるリスクが膨らむだけだろう。

 幸いなことにニコラ商会は様々な商品を扱っている。

 一種類だけしか売れないということがないため、ジャンルの移動が簡単だ。



 では次に何を売るか。

 これは既に決めてある。

 魔道具を売る。

 大分種類のバリエーションも出てきたからな。


 これは石鹸の効率的な生産を実現する重要なファクターだ。

 石鹸やの詳しい配合や製法が解っても、それを扱う魔道具はそう簡単に手にはいる代物ではない。


 そこにつけこむのだ。

 情報公開と同じタイミングで初歩的な魔道具を量産し、安く売る。

 魔道具というのは錬金術の分野だけではなく生活にも使われるからな。

 ついでに医療施設にも手を出すか。

 メルガルト公爵家に働きかければ実家周辺の治癒院ぐらいは貸してくれるだろう。

 確か領地を持つ領主の管轄だったはずだ。

 そこで高性能の治療用魔道具を使用してもらえば、それは衝撃となる。


 今の技術力だったら欠損の再生も夢じゃない。

 叔父さんは義手が好きらしいが、多くの者は生身の復活を望むだろう。



 既存の治癒魔法では欠損の再生は不可能だった。

 恐らく実行させる内容が曖昧だったのだろう。

 細胞が認知されていないので当然の話か。



 ともかく、そこら辺の実験もした方がいいな。

 こういう実験は遠隔だと難しいだろうし休みまでお預けだが。


 その前に魔法の新しい教科書を作る必要もある。

 このまま延々とニコラ商会がオーバーテクノロジーを垂れ流すのも問題だろうし。

 まずは基礎的な知識の修正程度が良いだろう。

 人類を再教育するのだ。


 庶民にもギリギリ手が届く値段で、

 『強力な魔法の使い方』

 とか言う題名を付ければ飛び付くだろ。



 そうと決まれば教科書作りだ。

 他にやることないしな。

 超小型アイテムも医療設備も休みが来ないとなにもできないだろうし。

 

 まあその前に父さんへ一言声を掛けておくくらいはしておこう。

 アランにメッセージを飛ばすハルト。


 そのうち携帯も再現しようと決意しながら、ハルトは教科書を書き始めるのであった。


 

  

面白い! 続きが気になる! という方はぜひブックマークと下の☆をクリックお願いします。


感想、気になった点、世間話、その他ありましたら是非書いてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ