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狂科学者、死亡する。

 深夜、とある大学の研究室で一人の研究者がコーヒー片手にキーボードをたたいている。


 彼の名前は十六夜春。生物学研究者だ。

 その目の下にはどす黒い隈があり、今晩で八徹目になる彼の疲労を物語る。

 中毒レベルのカフェイン大量摂取がもたらす頭痛や吐き気と闘いながらも、その眼は獲物を求める獣のごとく爛々と輝いていた。


 この一風変わった研究者は、人体の外科的な手法を用いた強化とその意義についてのレポートを書いていた。彼はいわゆるマッドサイエンティストであり、今日も実験の予算を頂こうと奮闘しているのである。


 ......まあレポートの内容が脳機能拡張のために被験者の脳に小型AIを接続するとか、筋肉を全て最新の人工筋肉へ置き換えるとか、臓器を機械に置き換えるとかいうマッドな内容を実験のやり方から、使用する機材まで細部にわたって大真面目に書いている時点で人道的な観点と被験体入手の困難さからまた却下されそうではあるが......。



 「ふう、やっと終わった。」

 レポートを打ち終えたようでキーボードを連打していた指を止めた春は、


 「ふははははっ。今回のレポートは完璧だ。クソジジイ共、次こそ予算を勝ち取ってくれる!」

 と、深夜テンション(重症)なのか誰もいない研究室で一人高笑いをあげる。



 


 「いや~終わった終わった。」

 ひとしきり笑い、隈のひどい顔に笑みを浮かべながら背中を思いきり反らす春。


 「ん゛~」

 バキバキと心地よい音を立てる背中を更に反らす。




 「あ゛っ!?」

 そのまま勢いよく後ろに倒れ込む椅子。


 ゴンっ



 頭が床に凄い音を立てて激突した瞬間、春の意識は途切れた。




 ****


 

 死亡者:六夜春 享年28歳 男性

 死因:椅子からの落下による頭部挫傷及び頸部骨折による事故死。

 備考:8日間不眠で予算申請用のレポート作成中に死亡。血中カフェイン濃度が致死量を越えていたことを確認。



 



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