探偵部、初めての心霊現象。
「ここかあ。」
「立派な一軒家ですな。」
手紙に入っていた地図をもとに、探偵部は中野さんちにとーちゃく。4人中3人が(瑞月以外)方向音痴の為、メチャクチャ苦労した。まあ、私が言えたことではないんですが。
『ピーンポーン』
咲奈が呼び鈴を鳴らすと、
「はーい」
という、大人びた女子の声が、中から聞こえた。
しばらくすると、家のドアが開き、学生が現れた。
「あの、『中野涼音』さんから依頼を受けた『探偵部』の者なんですが…。」
「あ、私です。…、あなたたちって…?」
「小6です。」
「だ、だよね?」
涼音は大人をイメージしていたらしい。ま、そりゃそうだ。
「偵察しに来ました!!」
「だ、大丈夫なの!?幽霊かもしれないよ!?」
「でーじょーぶですよ!」
「そ、そう…?」
中に入った探偵部。まずは和室から。涼音によると、そこから低い声がするらしい。オカルトオタクの咲奈はワクワクが止まらない様子。
涼音のこの家は二階建てで、入って廊下をまっすぐいくとリビング、右隣に和室。リビングの左端に階段があり、二階には涼音の部屋、母の部屋、そして今は亡き父の部屋がある。廊下を右に行くと、左側に洗面所と風呂場、右側にトイレ。
ちなみに私いたちわらびはマンションに住んでいるので、一軒家に憧れがあります。
「ここだよ。」
涼音が探偵部を、和室まで案内してくれた。すると急に七海が、
「うぅっ・・・。」
と、体を縮こませた。
「なな、どうしたの?」
咲奈が心配そうに聞く。ほかのメンバーも、不安そうに七海に駆け寄る。
「いや、その…。なんか急に、寒気が…。」
「「「さ、寒気!?」」」
3人が声をそろえて言った…って、こんなこと言ってる場合ではないっ!だいじょーぶか、七海!?
「やっぱり…。」
涼音が呟いた。どういうこと?「やっぱり」って…。
「手紙に『たまに寒気がする』って書いたでしょ?私も今寒気がしてて。」
「え、マジですか。」
「うん。」
すると…。
『ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…』
という、謎の声が和室に響いた。
「ひいいいいいいいいいいいいいいい」
驚きの咲奈。他のメンバーも、顔が真っ青だ。
ちなみに、私もです。こわあああああああ。
「今の聞いたでしょ?これだよ。」
涼音は慣れてる様子。まじかああああ。
『ガシャン』
なくなったお父さんの写真立てが、不意におちた!
「「「うあああああああああああ!!」」」
咲奈、七海、弥愛、そして私もぜっきょー!うぎゃああああーーーーーー!
(幽霊って、ホントにいるの…?)
このころから、瑞月は幽霊を信じかけていた。しかし、
(いや、いないよね。いるはずがない。さっき落ちた写真立ても、七海の寒気も、冷たい風のせいよ。)
あの後「情報はこれでOKです!ありがとうございました!」と、さっきまで怖がっていた咲奈が笑顔でお礼を言い、探偵部は、それぞれ散った。
次は情報をもとに、『魔の4階』で調査。いやあ、心霊現象で怖がっていた探偵部&私いたちわらびが、悪魔がいるっていうトコに行けるんですかね。