第67話 ハンターの裏側
「うんとね。ミリーはね、ミリーっていうんだよ」
犬人族の集落になぜかいた猫人族の幼女、そして、なぜか、ハンターどもから命を狙われているのではなく、連れてれて来いと言われた幼女がついに目覚めた。
そして、名を聞くとミリーと名乗った。
「そっか、ミリーちゃんていうのね」
カイナがそういって、頭を撫でた。
「ここ、どこ」
ミリーはカイナに頭を撫でられながらあたりを見渡して首をかしげている。
「ここは、ナイヘルっていう街の中だ」
ミリーの問いには俺が答えた。
「ないへる。あっ、おばちゃんがいったら、ダメっていってた」
「おばちゃん? 犬人族の人か」
「うん、おばちゃん、すごくやさしいんだよ」
「そっか」
それを聞いて俺たちは思わず泣きそうになった。なんていったって、そのおばちゃんは、ハンターたちにより殺されたのだからな。
「確かに、ナイヘルは危ないところだけど、ここは、安全だからな安心しな」
そういって、俺もまたミリーの頭を撫でた。
「えへへっ」
俺がなでると、ミリーは嬉しそうにした。
「ミリー、ちょいと尋ねたいことがある」
とここでギルドマスターが俺たちの後ろからミリーに話しかけた。
「ひぅ」
すると、ミリーは俺とカイナの背中に隠れてしまった。
「ギルマス、あんた、顔が怖すぎるんだよ」
確かに、ギルドマスターは結構強面だった。しかし……。
「バカ野郎、それはお前もだろうが」
「ちょ、待ってくれ、俺のどこが怖いんだよ」
そういうが、俺にわせると2人とも同じぐらいだと思う。
「そうね、怖いよね」
そんな男たちを見てカイナがクスクスと笑いながらミリーの頭を抱いた。
「おいこら、カイナ、お前なぁ」
ギルドマスターは文句を言っている。
「あはははっ、ミリー、大丈夫だぞ、確かに、この2人顔は怖いけど、いい人達だからな」
俺は笑った後、ミリーにそういった。
「いい人?」
そんな俺の言葉にミリーは信じてくれたのか少しだけ顔を出した。
「そうね、いい人達よ」
「うん」
カイナのダメ押しでようやくミリーはギルドマスターたちに対する警戒を解いた。
「なんか、地味にショックだな、これ」
「まったくだ。えっと、それで、ミリー、1つ聞くが……」
「今帰った」
ギルドマスターがミリーに、何かを尋ねようとしたところで、突如背後からそんな声がした。
「うぉう」
俺は思わずそんな声を出してしまった。
「なんだ、ゲイルじゃねぇか、脅かすな、で、成果は」
「ああ、だが……」
ゲイルと呼ばれた男は俺たちを見た。
「構わん、ノーラン、カイナ、こいつはゲイルといってな、この街で情報収集をしてもらっている。隠密スキルの使い手だ」
なるほど、確かに隠密スキルも高ければほとんど感じることすらできないというからな。
「調べたことだが、どうやら最近連中と接触した組織があるようだ」
「組織、どこの誰だ」
ギルドマスターが尋ねたが俺も気になった。
「よくはわからない、だが、このニンモートにはいない連中だ」
「どういうこと」
ミリーに俺の異空間収納から取り出したお菓子を与えながらカイナがそう聞いた。
「真っ黒なフードとローブを身に付けて、目の周りを赤く化粧した連中だ」
!!!!!
俺はそれを聞いて驚愕した。
「えっ、今なんて」
カイナも驚いた。
「知っているのか」
俺たちの反応を見て、ギルドマスターは俺たちにその正体を尋ねてきた。
「ああ、たぶんだけど、そいつらはディノシス教団だ」
ディノシス教団、それは名前持ちの悪魔族ディノシスを崇拝する連中であり、グルベイズでスラムの住人を実験台にしていた連中であり、カイナにとってはかつての仲間の仇だ。
「ディノシス教団、なんだそいつらは」
俺はここでディノシス教団について説明した。
「そんな連中がいるのか」
ギルドマスターたちは衝撃を受けていた。
「ていうか、なんで知らないんだ。確か、通信機を使ってギルド全体に知らされたはずだけど」
俺が報告をしたグルベイズのギルドマスターザガンはそういった。
「通信機、これのことだろ」
そういって、ギルドマスターは通信機を見せてくれた。
「確かそれだったと思うけど、アーバイト王国から通信来ただろ」
「そいつは無理だな。こいつは、なんでか知らないが大陸専用でな、ニンモートでは使えないんだよ」
「そうなのか」
「ああ、昔から何度も試したらしい、俺も試したが無理だった」
よくわからないが、使えないようだ。
「ということは、やつらの企みも知らないということか」
「企み?」
「ああ」
俺はその後、ディノシス教団たちの企みについて話した。
「……まじかよ」
「……それは、また、最悪な企みじゃねぇか」
「ええ、それと、やつらはどこにでもいるのよ、かつては冒険者の中にもいたわ」
ここでカイナがそういった。
「なんだと、それ、本当か」
それを聞いたみんなはさすがに聞き捨てならないといった表情をした。
「ええ」
カイナは、少し怒気を含んでいたので俺が続きを話した。
「カイナはそいつらの罠にはまったことがあるんだ」
「そういうことか」
それだけで、ギルドマスターたちには状況が分かったようだ。
「それで、ディノシス教団の連中とハンターは何をしていたんだ」
「うむ、それは、犬人族の集落の場所と、そこに猫人族の少女がいるということだった。つまりは、その娘のことだな」
ゲイルはそういってミリーを指さした。
「どういうことだ、なんで、ディノシス教団がミリーを狙うんだ」
「それはわからない、だが、その情報をもたらしたの犬人族だった」
!!!!?




