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演劇台本:マッチ売りの白雪姫

作者: △あやなし

ご利用の際は


a87shi@gmail.com


にてご連絡ください。感想は見るのが遅くなりますのでご了承ください。

1 【照明:                                    】

【音響:                                    】


白雪 どなたかマッチはいりませんか…?どなたか…。

狩人 1本くれないか?

5  白雪 あ、おじさん!

狩人 やぁ、頑張ってるみたいだな

白雪 はい、いつもありがとうございます。でも、毎日買いに来て下さらなくてもいいんですよ?

狩人 お譲ちゃんのマッチを欲しがる人がいるもんでな。お譲ちゃんこそ毎日毎日

マッチを売ってるが、風邪ひかないように気をつけるんだぞ。

白雪 はい、気をつけます


10 白雪 はぁ、3本も売れのこっちゃった…。もう使えそうにないし、こんなのいらない。


《マッチ捨てる、女神登場》


白雪 へっ。ひ、ひとが…。


《白雪が逃げようとする》


女神 お待ちなさい。私は危害を加えません。

15 白雪 本当ですか?

女神 ええ。そんなことするような人に見えますか?

白雪 とつぜん湖から出てきた人のことを信用できません!

女神 紹介が遅れました。私はこの湖の女神です

白雪 自分から女神って…。

20 女神 ホントにそうなんだから仕方ないでしょ。そんなことよりあなた、マッチを落としましたね。

白雪 落としたというより捨てました…。

女神 あのねぇ、湖に物を捨てられると困るのよ。水は汚れるし、ゴミは溜まるし。あ、石なら良いってわけじゃないのよ?湖の中にいる私に当たることもあるし、何回外に置いて もまた投げてくるから もー疲れるったらありゃしないわ。まったく最近の子供ときたら しつけがなってないうか何というか。まぁ無邪気なことは良いことだし仕方ないわね。


白雪 すいません!もう捨てませんので!

女神 分かればいいの。ちょっと待ってなさいよ。

25 白雪 はい。

女神 ゴホンっ、それでは…。

白雪 ?

女神 あなたが落とし……いや、捨てたマッチはこの『願いが叶うマッチ』ですか?

白雪 いえ、そんなマッチは…。

30 女神 それではこの『命と共に火が消えるマッチ』ですか?

白雪 えと、どちらでもなくて、ただのみすぼらしいマッチです。でも、もう水に濡れて使えませんね・・・。

女神 あなたは正直ものです。そんなあなたには両方のマッチを授けましょう。

白雪 そ、そんな悪いですよ。それに濡れているんじゃ…。

女神 濡れたマッチ渡してどうするのよ。これは正直者へのご褒美です。受け取りなさい。これで少しは楽に暮らせるでしょう。

35 白雪 ありがとうございます…!大事にします!

女神 うふふ、頑張りなさい。


《白雪はける、女神はける》

【場転】


王妃 鏡よ鏡。この世で1番可愛いのはだぁれ?


40 《鏡が楽しげに来る》


鏡  お答えしますっ!!それはもちろん、隣町にいる八百屋の看板娘の子ですねー。あの、女の子特有の仕草がなんとも・・・!あぁ、幼女最高ですっ!!それでは。


《鏡はけようとする》


王妃 待て。はぁ…。鏡よ鏡。この世で1番美しい大人の女性はだぁれ?


《ダルそうに戻ってくる》


45 鏡  それは王妃様、あなたでございます。

王妃 そうかそうか。うーんうん、よい気分だ。ふぅ、あと少しで鏡が割れるとこだったわ。

鏡  あー、しかしながら、もうすぐ変わってしまいますねー。

王妃 なに?それはどういうこと?

鏡  町外れの森の湖近くに住む少女がもうすぐ誕生日を迎えます。めでたいですねぇ。その少女が大人になると1番は王妃様ではなく少女がこの世で1番美しい女性になります。あぁ、私のストライクゾー ンは8歳から15歳だというのに!また1人幼女が消えてしまうなんて!!なんと嘆かわしい!!

50 王妃 うぅるさい!!そいつは生かしておけぬ!今すぐ消し去らねば。狩人!

狩人 失礼します。どうされましたか王妃様。まさかリンゴの食べ過ぎでお太りになってしまいましたか!?

王妃 違うわっ!町外れの森の湖近くにいる少女を消せっ!

狩人 幼女をですか!?

王妃 いや少女。

55 狩人 ・・・わ、分かりました。

王妃 もういい。


鏡  狩人よ、少女はかなり可愛い。気をつけて行くんだぞ。

狩人 なに、そんなに可愛いのか…?

鏡  あぁ、残念だが今回はかなりハードな仕事になるとみた。

60 狩人 くっ、!!精神的なダメージが大きい!

鏡  自分がやられないよう気をつけていくんだな。

狩人 ありがとよ。それじゃあ…大罪を犯してくるぜ…。

鏡  がんばれ。


《鏡と狩人ハイタッチしてそのままはける》


65 王妃 ・・・あぁぁ!この城の奴らはどうしてこんなに変なやつが多いんだ!?ったくもおおぉぉおぉぉぉ!!!!!!!


【場転】


狩人 はぁ、ここまで来たものの、人間すら殺ったことねぇからなぁ…。っと、たしか湖の近くだったな。この辺か…。

白雪 歌っている(メーリさんのひつじ ひつじ ひつじ メーリさんのひつじ ふふふんっふふーん♪)

狩人 ん、あの子か。ま、まさかあれは白雪か!?よりによってなぜ白雪なんだ!というか歌えてないの可愛スギィィィ!!仕方ない…。


70 《躊躇しつつも弓を引っ張る》


狩人 うっ…!!やはりできない!


人狼 隙あり!!

狩人 うわっ、なんだ!?

白雪 へっ!な、なに!?

75 狩人 出たな狼娘がっ!今日こそはお前の肉を引き千切ってやる!!

人狼 うるさいっ!この森を荒らすやつは私が許さない!

白雪 きゃあぁぁぁ!


《白雪逃げてはける》


狩人 はっ、待て!!

80 人狼 やめろっ!!


【赤黒の照明】


人狼 ぐっっ!!!

狩人 なんだと!?

人狼 ぐっ…あ、あぁぁ…うぅ…。

85 狩人 くそ、こいつのおかげで白雪が逃げちまった。王妃様に何と言えば…ん、これは白雪の赤ずきん・・・。そうだ!これを王妃様に渡せば何とかなるはずだ!ふんっ、じゃあな。

白雪 だ、大丈夫ですか、狼さん…。いけないひどい傷!早く助けないと!で、でもどうすれば…。 あ、このマッチ…。


白雪 え、えと、マッチさんマッチさん、狼さんを生き返らせて下さいっ!!


《『願いが叶うマッチ』を使う》


人狼 う、うぅ…私、殺られたはずじゃ…?

90 白雪 あわわわぁ。。。。ホントに生き返っちゃった…!

人狼 あんたが…。

白雪 大丈夫ですか?

人狼 あんたが助けてくれたの…?

白雪 はい。

95 人狼 何をしている、あんた正気か…!?私は人狼だ、狼だぞ!?食われたっておかしくな、うっ!!

白雪 大丈夫ですか!?

人狼 これくらい何ともない!私に構うな…!

白雪 確かに、人が狼を助けるなんておかしな話かもしれません。でも、目の前で倒れているのを見過ごすことなんてできませんよ

人狼 そんなこと言っていたら、いずれ食われるぞ。

0  白雪 でも…。

人狼 気持ちだけで充分だ、ありがとな。

白雪 まだ傷が…。

人狼 この恩は一生忘れない。また、どこかで…。


《人狼はける》


5  友達 きゃあぁぁぁ!!助けてー!!


《友達が入る》


白雪 どうしましたか!?

友達 どこの誰かは分かりませんが助けて下さい狼に食べられそうになったんです!

人狼 いや、そんなつもりは

10 友達 じゃあ何する気なのよ!?こんな可愛い子相手に!

人狼 なにもしねーよ!

白雪 可愛い子…?って狼さんじゃないですか…。

人狼 あぁ…あんたか。また会っちまったな、同じ場所で…。

白雪 あの、何が?

15 人狼 そこの娘とたまたま出くわしたんだ。そしたら急に叫びだして。

友達 だってあんた狼じゃんか!

白雪 怖がるのも無理ありませんよ。

人狼 そうだな、まぁ慣れてるからいいけど。

白雪 大丈夫ですか?

20 友達 あ、あれ…もしかして白雪!?すっごく良い匂いするーw

白雪 わ、私ですか?

友達 分からない!?私、リリィだよ!?ほら、昔よく一緒にいた!

白雪 すいません、昔の記憶が思い出せなくて…。

友達 そ、そっか…。でも相変わらず綺麗だなぁ。

25 人狼 こいつの名前は白雪と言うのか?

友達 そうよ、私だけの白雪よ!

白雪 と、とりあえず帰りましょう?

人狼 それじゃ、こんどこそさよならだな。


《人狼うまく歩けない》


30 白雪 や、やっぱり大丈夫じゃないです!傷が治るまでうちにいて下さい。

友達 白雪ちゃん!狼を泊めるなんて危険すぎるわ!寝込みを襲うかもしれないのに!

人狼 そうだ、その娘の言うとおりだぞ。

白雪 襲うんですか?

人狼 そんなことするはずがないだろう・・・!?

35 白雪 それなら大丈夫ですね。

友達 あぁぁ、なんて良い子なのかしら白雪ちゃん…!感謝しなさいよ!

人狼 ありがとう。

友達 さぁ、危険だから手をつないで一緒に帰りましょ!?

白雪 は、はい!

40 友達 いいのよ、そんなに硬くなくたってー!

白雪 わ、わかった!着いたよ

友達 はやっ!近場なんだね!?全然手繋げなかった…。ていうか、もう手洗えないわ!

白雪 狼さんはそこのベッドで寝ててくださいね。リリィは手洗って。

人狼 すまないな。


45 友達 ところでさ、なんで狼と白雪ちゃんが仲良いわけ?

人狼 私が狩人に襲われて殺られてしまってな、その時そいつが生き返らせてくれたんだ。

友達 え、白雪ちゃんが生き返らせたの?

人狼 そういえば、どうやって私を生き返らせたんだ?

白雪 えっと、売り物のマッチを湖に捨てたら、女神さまが出てきてね、『願いがかなうマッチ』をくれたの、そこに置いてる箱のやつ。

50 人狼 マッチのおかげだったのか。

友達 もう1つの箱は?

白雪 『命と共に火が消えるマッチ』 って言われたんだけど、使わないかなって

友達 へぇー、ねぇねぇ、願いがかなう方 使ってもいい!?

白雪 うーーん、大事に取っておきたかったんだけどな…。

55 人狼 何に使うんだ?

友達 「白雪ちゃんが私だけのものになりますように」って!

人狼 ダメだろ!

友達 えっ?なんで?

白雪 変なことに使わないでほしんだけど!?

友達 分かったよぉ・・・。我ながら素晴らしい発想だと思ったんだけどなー。


60 白雪 はい!できました!

人狼 ありがとよ

友達 ふぁ~、今日は疲れたなぁー!

人狼 十分元気じゃねぇか!

白雪 もう寝ちゃう?

65 友達 うん!ってどこで・・・?

白雪 隣の部屋に行こっか。たしか、お母様の使ってたベッドが残ってるはず。あ、狼さんは私のベッドで寝ていてくださいね。

人狼 あぁ、ここまでしてもらって助かる。

友達 うふふ、白雪ちゃんと同じベッドで夜を共に過ごすなんて…。あ、どうしよう、もう寝れないかも…ww ぐへへ…。

白雪 リリィはそんなに床で寝たいの?

70 友達 大変申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!!

白雪 変なことしたら、こちょばすからね

友達 まさかのご褒美っっ!!?

白雪 それでは狼さんおやすみなさい。

友達 絶対に入ってきちゃダメだからね!白雪ちゃんと私の愛の巣なんだから!

75 人狼 行かねーよ!


【照明さん薄暗く】


人狼 もう、白雪の母親はいないのか…?


【場転】


王妃 やったか?

80 狩人 ええ、その証拠にこの赤い頭巾を持って参りました。

王妃 そうか、よくやった。


《王妃背を向ける》


狩人 王妃様、気づいておられたのですか?

王妃 …何のことか私には分からぬ。

85 狩人 そうですか…。


王妃 鏡よ鏡。この世で1番美しい女性はだぁれ?


《鏡入る》


鏡  呼ばれて飛び出すジャジャジャジャーーン!!お答えしまーすっ!!それはずばり王妃様 と言いたいとこではありますがー、やはり不動の1位は町はずれの森の湖近くの美少女ですねーw!おやお や、もう寝ているようです。あぁ!丸くなって眠る姿は あたかも天使でござ

王妃 狩人っ!!

90 狩人 はい

王妃 おぬし、これはどういうことだ?

狩人 申し訳ありません。ですが!1度消えた命は2度と戻ってきません!私には白雪を殺ることなど

王妃 その名前を口にするでない!…もうよい、初めから私が行けば良かったのだ。杖を持って参れ。


《狩人:杖を持って参った》


95 狩人 どうぞ


《王妃 無言ではける》


鏡  私何か悪いこと言ったか?

狩人 いや、俺が悪いんだ。

鏡  そんなことはない。お前は少女を殺らなかった。私はお前に感謝している。

0  狩人 か、かがみ…。

鏡  お前の言ってることは間違えていない。王妃様も自分の中では気づいているはずだ。お前は狩人として王妃様の傍にいてやれ

狩人 鏡…まさかお前にそんなこと言われると思ってなかったぜ。

鏡  それはどういう意味だ。

狩人 行ってくる

5  鏡  おう、がんばりな


  《両者ともにはける》


 ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_日付変更線 _ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄


【照明さん:                                         】

【音響さん:                                         】


《人狼起きる》


10 人狼 ううぅ…。そうか、私生き返ったんだな。つっ・・!まだ傷が痛むな。

友達 ううぅ…。眠い…行ってきまーす。

白雪 ホントに大丈夫?

友達 行ってきますのキスがないと倒れちゃうかもぉ。

白雪 じゃあ心配しなくてもいいみたいだね!いってらっしゃい

15 友達 うぐぐ、そんな白雪ちゃんも嫌いじゃないわ。いってきます!


人狼 朝から元気そうだな

白雪 あ、狼さん起きたんですね。傷はどうですか?

人狼 あぁ、まだ痛むがもう普通に動けるはずだ

白雪 そうですか、良かった

20 人狼 あの娘はどこに行ったんだ?

白雪 あの子なら薬草を摘みに行きましたよ。魔法使いなんだそうです。

人狼 魔法使いって何だ?

白雪 簡単に言うと、炎を出したり、変身したり色んなことが出来る人のことです

人狼 へぇー。あんたも魔法使いなのか?

25 白雪 え、そんなことありませんよ!?

人狼 でも、私を生き返らせたり、女1人なのに家まであるからさ。

白雪 生き返ったのはあのマッチをくれた女神さまの力です。私にもよく分りません。家はもともとあったんです。

人狼 もともと?誰かが建てたのか?

白雪 私のお母様が魔法で建ててくれたらしいです。でも、ある日お母様は家からいなくなってて。きっと、今頃どこかで過ごしてます。

30 人狼 いいのか、母親がいなくても。

白雪 えぇ、もう1人にも慣れましたし、もうどこにいるかも分かりませんし・・・。

人狼 たった1人の母親だぞ?いてほしいと思わないのか!?

白雪 私だって会いたいです!…でも、何年経っても会えない、手がかりもない。だから…だからもう、いいんです。

人狼 良くないだろう!?今ならそのマッチで探せる!

35 白雪 でも、これは大事なマッチで・・・!

  人狼 大事なマッチで大事な母親を探して何がおかしい!?それに今なら私がいる、あの娘もいる!…あんたの味方だ。

白雪 ……信じてもいいんですね?

人狼 裏切るとでも思うか?

白雪 ……分かりました。


40 《再びマッチを手に入れた》


白雪 マッチさん、マッチさん、お母様の居場所を教えて下さい

人狼 …何も起こらねーぞ…。


【照明さん仕事】


人狼 うわっ、!

45 白雪 きゃっ!


人狼 な、なんだ!?頭の中に何か入ってきた・・・!?

白雪 お母様!?…生きていたのですね…!

人狼 町の城の中!?ということは…まさか王妃か!?

白雪 王妃って何ですか?

50 人狼 この国では一番偉い女性のことで、この国を治めている。まさか王妃だったとはな…。

白雪 そんなに凄いんだ…。


《王妃が入る、魔女に変身》


白雪 はーい。

魔女 すまんのお嬢さんや。私はこの辺で髪飾りを売っている者じゃが。どうじゃ、?この綺麗な髪飾り、 一つ欲しくはないかね?

55 白雪 わぁあ!なんて綺麗な髪飾りなんでしょう!


人狼 おい、誰か来ているのか?

魔女 なななんで狼がおるんじゃ!?

白雪 あっ、噛まないので大丈夫ですよ。

人狼 私はペットじゃないぞ。

60 魔女 なんじゃ、噛まないのか。。。ささ早く着けて見せてくれんか。

人狼 ちょっと待て、くんくん、ダメだ!髪飾りから毒の臭いがする!いったいお前何しに来た!!

魔女 っち、バレてしまったか!


【大きな音】


人狼 なんだコレは!?くそっ、逃がすか!!


65 《魔女と人狼はける》


   白雪 行っちゃった。

  

   《友達はいる》


友達 白雪ちゃん!大きな音がしたけどどうしたの!?

   白雪 リリィ!狼さんがおばあさんを追いかけて行ったの!《指さして》

70 友達 えっ、おばあさん?狼ならおばあさんくらいすぐ捕まるんじゃ…?

   白雪 魔法をつかって逃げたの!

   友達 え、魔法使いはもう私だけのはずよ!?

   白雪 分からない

   友達 私以外にいるなんて…。…そんなことあるはずない…。

75 白雪 リリィちゃん…?

   友達 はっ、私 狼を追いかけてくるわね!

   白雪 私も行こうか?

   友達 なーに言ってんのー、お姫様はお家で待ってて

白雪 分かった!


80 《魔女と狼が走ってはいる》


魔女 しつこいやつめ!


《魔法的な動き》


人狼 か、からだが痺れる、、、!!いったい何を!

魔女 ふっ、軽い運動になったわ。湖はこっちか。それでは、またな。


85 《魔女はける》


人狼 くっ…!白雪が危ない!


《友達:走りながら来る》


友達 いた!狼 どうしたの!?

人狼 魔女にやられて体が痺れるんだ…!

90 友達 えっ!?待っててすぐに薬を


《魔法で薬草を作り出す》


人狼 それより娘が危ない!

友達 白雪ちゃんが!?はい、これ食べて!

人狼 うっ、…よし、ありがとよ。

95 友達 白雪ちゃんにならさっき会ったばっかだから大丈夫

   人狼 でも今、魔女が湖の方に!

   友達 嘘でしょ!?白雪ちゃんのとこに行かないと!狼先に行ってて

人狼 分かった


《人狼はける》


0  《狩人・王妃:出会う》


王妃 狩人、なぜここにいる?

狩人 湖になら王妃様がいるかと思いまして。

王妃 ふんっ、余計な心配をするでないわ。ところで、そのりんごはなんだ?

狩人 先ほど木から取った、私の朝ごはんです。

5  王妃 ふふっ、そうか良くやった。

狩人 え、どういうことですか?

王妃 寄越せ。

狩人 朝ごはん…。

王妃 YOKOSE♡

10 狩人 どうぞ…おいしく食べてやってください…。

王妃 バカもの、食べるのは私ではない。

狩人 えっ、というと?

王妃 まぁ見ておれ


《またまた魔法を使う》


15 狩人 今何が起きたのでしょうか?

王妃 おいしそうなりんごに見えるだろう?だが、このりんごは毒りんごになったのさ。

狩人 王妃様、まさか…!

王妃 あぁ、娘に食わせるのさ。

狩人 そんなっ!ここまでしなくても!

20 王妃 うるさい。これで何もかもお終いなのだ。ほれ、持っておれ。


《王妃:さっきとは別の魔女に変身》


魔女 いくわよ。


《魔女はける》


狩人 もしこれを湖にでも捨てれば俺は首をはねられる…だが白雪は助かるかもしれない。はっ、正義の味方ってやつか。ふっ悪くねぇ。


25 《湖に毒りんごを捨てる》


女神 お待ちなさい

狩人 えっ、なんだ!?

女神 私は湖の女神。

狩人 あ、宗教勧誘ですか?俺神とか信じてないんで。


30 《狩人はけようとする》


女神 いや待って!私ホントに神だから!?

狩人 んなもん信じらんねえよ!

女神 あの、分かりました!凄いことするから、ホントに凄いんだから!あちょ、待ってってば!!神に逆らうと痛い目に合うんですからね!?

狩人 あーなるほどね!完全に理解したっ!だから早く離してくれ!神はこの俺だ!!

45 女神 あなた神を信じてないんじゃなかったの!?というか理解したら止まってくださるかしら!!?

狩人 …わかった、少しだけだからな。

女神 まったく、手間のかかる人ですね…。


女神 ゴホンっ。あなたが落としたのは奇麗な色をした、この『数時間後に倒れる毒りんご』ですか?

狩人 いや、違います。

50 女神 それでは真っ赤に熟した、この『すぐに倒れる毒りんご』ですか?

狩人 俺が捨てたのはただの毒りんごだ。熟してるかは知らないが。

女神 あなたは正直者ですね。そんなあなたには両方の毒りんごを授けます

狩人 いや、いらないから捨てたんだが!?

女神 そもそも湖に物を捨てないで下さい!湖が汚れます!

55 狩人 それは…すみません。あ、でも、俺さっき嘘吐いたぞ?

女神 …じゃあ、もう罰として両方持って行ってください。

狩人 え、えぇ…。これ本当に毒りんごなのか?

女神 はい。返品は受け付けておりませんので。

狩人 あんた本当に女神なんだな

60 女神 やっと分かってくれましたか…。

狩人 そこで1つお願いなんだが、普通のリンゴも出してくれないか!?朝ごはんなんだ!

女神 それではまた会う日まで。


《女神はける》


《魔女来る》


65 魔女 何をしているのだ。突然消えて。

狩人 いやあの、今女神が。

魔女 何子供みたいなことを言っておる。早く行くぞ。

狩人 はい。


魔女 よし着いたぞ、りんごは。

70 狩人 こちらでございます

魔女 どうして2つに増えているのだ?

狩人 あのー、最近手品に凝っておりましてですね…。

魔女 頭でも打ったのか。本物の毒りんごはどっちだ?

狩人 えっと、こちらが『数時間後に倒れる毒りんご』こちらが『すぐに倒れる毒りんご』だそうで

75 魔女 そうかそうか、もうよい。両方食わせればよいのだろう。あぁー、しかし見るからにおいしそうだ。このまま食べてしまいたいくらいだ

狩人 王妃様

魔女 分かっておる、冗談だ


《えっ!?建築関係トントントン!?》


白雪 はーい

80 魔女 おいしいおいしいりんごはいらないかね?

白雪 りんごですか!?あ、でも家から出ちゃダメなので今日のところはごめんなさい。

魔女 まぁ、そう言わず一度見てごらんなさい。あぁ、こんなにも熟しておいしそうなのに、食べないなんて…!


《白雪が出てくる》


白雪 そんなにおいしいのですか?

85 魔女 あぁ、もちろんだとも。ほれ、何もしないから1口だけ食べてごらんなさい

白雪 いや、でも

魔女 いつ食べるんじゃ?今じゃろ!?

白雪 えっと、それじゃあ


《ガリッ》


90 白雪 ほんとだ、すごくおいしい

魔女 ほれほれこっちの奇麗な方もおいしいぞ?

白雪 うーん、どちらもおいし


《白雪、ご臨終》


魔女 ひぃゃはっはっはっはっはwwwwwwwwwwwwwwwざまぁ見ろーーwwwwこの世の美女は私だけで充分なのだぁぁwwwww!!!!!!!!!!!

95 人狼 何をしている!?

魔女 出たな!狼がっ!

人狼 お前さっきの魔女か…?

魔女 そうだとしたら?

人狼 許さない…!お前――!!!



0  《人狼まーた射抜かれる》


人狼 うあぁっっっ!!!

狩人 やったか!?

魔女 ああ。

狩人 本当にまだ生きていたとはな  

5  魔女 よくやった。さぁ、帰るよ。

狩人 はい。

人狼 ま、待て…。

王妃 AHAHAHA、とてもいい気分だ。


友達 はぁ、はぁ、狼!?へっ、白雪ちゃんまで…!!どうしたの2人とも!

10 人狼 んぅぅ…。

友達 狼大丈夫!?

人狼 いいか、よく聞け…。

友達 何

人狼 マッチを使って白雪を生き返らせろ…。

15 友達 でも、あんたが!

人狼 私の事はいいから早く!

友達 …わかった!


《マッチを持ってくる》


友達 使い方がわからない!

20 人狼 あーもう、貸せ…!


《マッチを使う》


人狼 マッチよ、白雪を生き返らせろ!


《蘇る》


友達 白雪ちゃん!

25 白雪 ううぅ…あら、どうして寝ちゃったのかしら。

友達 狼!!

白雪 狼さんがどうかしたの?えっ…狼さん!?この傷は!

人狼 心配ない…ちょっと無理しすぎただけだ。

白雪 とりあえず傷口を塞がないと!

30 人狼 白雪いいか、よく聞け…。

白雪 なんですか…?

人狼 お前の母親は直に死ぬかもしれない。

白雪 へっ。

人狼 今会わないと二度と会えなくなるかもしれない。

35 白雪 な、なんで急に…。

人狼 会いに行け。

白雪 でもこのままじゃ狼さんが

人狼 何ともないと言っているだろ!!…私の事は気にするな。お前の大事な母親だろ。早く行け…。

白雪 でも

40 人狼 早く行けっ!

白雪 …リリィちゃん、狼さんを頼んだわ!

友達 分かった!


《白雪はける。作者ハゲそう》


友達 王妃様が死ぬって本当なの?

45 人狼 …あれは嘘だ。ああでも言わないと白雪は行かないからな…。

友達 ・・・。

人狼 私はもうじき力尽きるだろう。お前は白雪を追いかけろ。

友達 …そう、分かったわ。


《死ぬ方のマッチを取る》


50 友達 使い方教えてくれてありがとっ☆

人狼 お前、それは…。うっ。。。


《人狼 ご臨終》

【暗転】


王妃 はー、ゆかいゆかい、ダイアモンド☆ユカイ

55 狩人 …。あ、あの、王妃様。

王妃 どうした

狩人 ホントに良かったのですか?

王妃 …何のことだ。

狩人 あの子を殺ったことです。

60 王妃 うるさい、首をはねるぞ。

狩人 実の娘よりも美しさを優先するのですか!?

王妃 娘ではない!あれはただの村人だ!

狩人 何を言ってるんですか!一緒にいなくても血は繋がっているのに!

王妃 手遅れなのだ!実の娘を捨てたのだぞ。もう何をしようと白雪に償うことはできぬのだ…!

65 狩人 王妃様…。

王妃 リンゴが食べたい。持って参れ

狩人 はい


《狩人はける》


王妃 鏡よ鏡。


70 《鏡なのに歩いて入って来る》


鏡  どうされましたか?

王妃 私はいったいどうしたいのだ?

鏡  …!? そうですねー、それは王妃様が1番ご存知かと。

王妃 わからぬ。

75 鏡  そうですか。それでは少し余計な事を言わせていただきます。

王妃 なんだ

鏡  あなたは今でも娘のことを愛しているのですか?

王妃 ・・・。

鏡  ふふっ、私からは素直になることをお奨めしますね。それでは。


80 《鏡なのに歩いてはける》


王妃 白雪のことを愛しているのか…。


《ドアが突然開く》


白雪 王妃様!いえ、お母様!!

王妃 白雪っ!?なぜお前が生きている!?確実に殺ったはずだ!それに私は母親などでは

85 白雪 今までずっと会いたかった!

王妃 なぜだ…。おかしい…おかしいおかしい!!

白雪 「白雪」って名前、お母様がつけてくれたんでしょう?

王妃 どうしてそれを…。魔法の力で記憶は消したはずだが…。

白雪 確かに昔の記憶はない。いつの間にか森の中にいて。なんともない日々を過ごしてきた。でもね、たまに夢で見るの。私とお母様が一緒に暮らしていた夢を。とても温かい。

90 王妃 …そうだ、私はお前の母親だった。

白雪 いえ、今でもお母様はお母様だわ!

王妃 私に母親になる資格なんてない。

白雪 どうして…。

王妃 昔 私はマッチ売りだった。そんななか城の王妃様は私を王妃に選んだのだ。

95 白雪 お母様もマッチ売りだったの?

王妃 あぁ、だが それだけでは2人とも飢えてしまう。だから…だから王妃になるしかなかったのだ!たとえ母親でなくなったとしても!

白雪 そんなことが…。

王妃 私はただ遠くから見守ることしかできなかった!会いたくても、娘を捨てた私はどんな顔をして会えばいいのか分からなかった…。

0  白雪 捨てたんじゃないわ!見守っていてくれたのでしょう…?そのおかげで私は今ここにいるの。

   王妃 白雪…。

  

白雪 それにこれ、私のマッチでしょ?いつも狩人さんが買いに来てくれてたわ「お譲ちゃんのマッチを欲しがる人がいる」って。まさかお母様だったなんて。

   王妃 私にはそれぐらいのことしか、してやれることが無かったのだ。

   白雪 私ね、いつも誰のことなのか気になっていたの。きっと優しい人なんだろうなって。間違ってなかったわ。

5  王妃 この私が…優しいだって…?  

白雪 あれ、これは私の赤ずきん!?お母様が拾ってくれていたの?

   王妃 ………白雪よ、もう1つ話さねばならぬことがあるのだ…。

   白雪 どんな話でも構わないわ!聞かせて…?

  

王妃 …私は…お前をこの世から消し去ろうとしていた

10 白雪 えっ。…な、なんで…どうして…?だって私はお母様の

   王妃 私にも分からなかった!自分の本当の気持ちが!

   白雪 そんな…。

   王妃 この城では、世界で1番の美女が王妃になれるのだ。それが私なのだ、いや、私だった。

   白雪 今でもお母様は美しいわ?

15 王妃 それはもう終わりなのだ。だから私は1番になるためにお前を消し去ろうとした

   白雪 へっ…わたし…?

   王妃 そうだ。

   白雪 そんなはずないわ!?私は

   王妃 鏡よ鏡。


20 《紳士的に入ってくる》


△  鏡  どうされましたか?

   白雪 だ、だれ…?

   王妃 真実を教えてくれる魔法の鏡だ。さぁ鏡よ、この世で1番美しい大人の女性はだぁれ?


   鏡  ふふっ、お答えしましょう。あなた様の傍にいる、その女性です。それでは。

   白雪 待って鏡さん!お母様が1番美しいはずじゃないの!?

25 鏡  んー、そうですねー。確かに王妃様はとても美しいです。ですが、美しさというのは見た目だけではありません。私からは以上です。それでは。


   《紳士的に帰っていく》


   王妃 ふっ、心が美しくなかった というわけか。

   白雪 どういうこと…?

   王妃 美しさに囚われすぎたせいで心が醜くなってしまったようだ。次の王妃は白雪 お前だ

30 白雪 私に王妃なんて…そんなの…。

   王妃 お前ならできるさ、白雪姫。

   白雪 白雪…姫…。

王妃 あぁ…こんな立派に育ってくれて、とても美しい姿になって…。今まで本当にすまなかった…。

白雪 いいの、私もお母様に会えて嬉しい。今まで、ありがとう…。私、お母様のような王妃様にな


35 《白雪 突然倒れる》


白雪 っあ…ぐっ…

王妃 し、しらゆき、どうしたの?

白雪 わからない…苦しい…でも、とても嬉しいわ…。

王妃 何を言っておる!!はっ、まさかリンゴの効き目か!くっ、どうして今頃!?誰か!誰かおらぬか!?

40 白雪 お母様、最後にもう1度顔を見せてくれませんか…。

王妃 白雪…。

白雪 お母様の娘で…私…嬉しい…。


 《白雪 息を引き取る》


王妃 し、白雪…、白雪目を覚ましてくれ…


45 《狩人 はいる、リンゴ落としてもいい》


   狩人 王妃様、りんごを持って参りま、、、白雪!?王妃様いったい何があっ

   友達 狩人


   王妃 狩人…?お、おい狩人どうしたのだ…!?う、うそだ…こんなの、こんなこと…あああぁあぁぁぁああぁあぁぁあぁぁ!!!!

△ 友達 王妃


 《王妃 叫んでいるときに突然倒れて》


50 友達 hhh…きゃははははwwwあっはははwwww はーぁ、美しい親子愛ですこと。でも、そんなの脆くて儚いわ。白雪は永遠に私のものなのに…。あぁ、なんて可愛い顔。誰にも譲らないわ。



《火を消す》


友達 あーあ、見ちゃったものは仕方ないわねー。それにしても、面白いわ。どうしてこんなに面白いのかしら…ふふふ、あははははははははhwwwwwwwwww


《マッチを擦る》


友達 私

55 《火を消す》


 【閉幕】

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[良い点] 赤ずきんと白雪姫と金の斧銀の斧とマッチ売りの少女がコミカルに合体してて非常に面白い作品になっていて非常に興味深いです。個人的には、鏡の人間性?が大好きです。アドリブを入れるポイントもたくさ…
[良い点] 中学生が上演したいといいました。 [気になる点] 上演許可のとり方が良くわかりません [一言] 2018年3月22日 午後2時過ぎ  西武学園文理中学校 選択教室において、「マッチ売りの白…
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