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掌編小説集6 (251話~300話)

カラスとニワトリ

作者: 蹴沢缶九郎

暇を持て余した意地の悪い一羽のカラスが、ニワトリの許を訪れ言った。


「あなたを見ていると不憫で仕方がない」


「何故です?」


理由を聞くニワトリにカラスは言う。


「鳥なのに空が飛べないなんて可哀想だ。鳥の権利を放棄していると言える」


「そうですかね、そもそもあなたは大きな勘違いをしている。僕は飛べないのではなく、あえて飛んでいないのです」


「それならばこの場で今すぐに飛んで見せろ」


責め立てるカラスに、ニワトリは平然と答えた。


「信じてもらえるかわかりませんが、飛び方を忘れてしまいまして。なにぶん物覚えが悪いもんで…」


「嘘をつくな。飛べないから言い訳をしているのだろう」


「うるさいお方だ。よろしい、では飛び方を思い出してみます」


と、ニワトリはそこから三歩ほど歩き、突然クルリと振り返った。


「思い出したか!?」


「やあカラスさん、今日はどういったご用で…」


カラスはあきれ果て、「もういい」と飛び去っていった。カラスが去った後、先程から二羽のやり取りを見ていた仲間のニワトリがやってきて言った。


「すんなり飛べる事を隠してカラスをからかうなんて、意地の悪いニワトリだ」

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― 新着の感想 ―
[一言] このお話、すごく好きです(*^^*) 鳥は三秒で忘れる、とはよく聞きますが…… くるりと振り返った時の台詞には笑わせていただきました。 (もう、爆笑です!) でも、その更に上を行っていて最後…
2016/09/07 18:44 退会済み
管理
[一言] 庭には二羽ニワトリがいたんですね。 ……いえ、なんでもございません。 失礼いたしました。
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