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凡人、洛陽入り

 さて、ここは魔都洛陽。

 陳留の次に俺が立ち寄ったのはかの地であった。主都であった。

 ……あんま近寄りたくなかったんだけどね、ここ。

 なお道中に俺が関わった怪奇とか騒動とかロマンスは阿蘇阿蘇最新号を参照のこと。


 とはいえ。最重要目的地の一つではある。だって。


「おかわり、いかがですか?」

「ん、ありがと」


 にこにこと嬉しそうに斗詩がご飯をよそってくれる。その笑みは満面で、俺もニッコリである。来てよかった。

 いやー、実際斗詩に苦労かけてるのは間違いないからなあ。それもすさまじいレベルで。

 だってさ。斗詩と顧雍に洛陽での活動をまかせっきりなのであるよ。

 袁家の公式な動きは斗詩。顧雍にはその補佐と商会のあれやこれやだ。だからして、視察というか、慰問というか。まあ、そんな感じで洛陽は外せない。

 いや、他にも理由はあるんだけんどもね。


「しかしまあ、俺が言うのもなんだけど、苦労をかけちまってるなあ」

「いえ、私しかいないっていうのは分かってますもの。

 はい。……分かってますから」


 にこり、と笑ってくれる。くう。

 うう、分かっちゃいたけど、やっぱりええ子や……。


 だが俺は謝らない。それが袁家にとって必要なのだから。


「やだなあ、もう。

 大丈夫ですって。分かってますから」

「お、おう……」


 察しの良い子はそのなんだ、困る。いやほんとマジで。どう報いたらいいのかなって。


◆◆◆


 がふがふ、と朝餉をかきこみ、食後の茶をすする。

 ……わざわざ斗詩が淹れることはないと思うんだけんども。


「いいんです。やりたくてやってることですから」


 まあ、そこまで言われたら、ね。

 美味しいし。


「そか、ありがとね」

「はい!」


 輝かんばかりの笑顔がまぶしいぜ。

 さて、どうしたものか。


「今日、忙しい?」

「え?まあ、外せないのは夜の宴席くらいですけど……」

「じゃ、さ。俺と斗詩。

 二人で洛陽の市中視察しない?」

「はい……。はい!」


 斗詩もたまには気晴らしせんといかんからな。二人きりとかでのお出かけとか久しぶりであるし。

 顧雍?おっとりしてるように見えてメンタル強いから大丈夫だろきっと。多分。


※張紘の論です


「じゃ、じゃあ。ちょっと。

 ちょっとだけ準備してきますから待っててくださいね!」

「はいよー」


 そりゃデートに出かけるのに待たないでどうするって話だわな。

 デートで待つのは男の甲斐性というものなのだ。

 とーちゃんも言ってたしな!


◆◆◆


 ふにょん。


 さて。

 諸君。

 俺はおっぱいが好きだ。

 諸君。

 俺はおっぱいが大好きだ。


 コホン。


 さて、おっぱいを賞味するにあたって一番いい身体の部位はどこだと思う?

 掌、と思った人は二流だな。

 顔、と思った人はマザコンだな。

 局部、と思った人は童貞だな。

 俺に言わせれば、肘だな。

 固い、その部分でこそおっぱいの柔らかさを堪能できるのだよ。いや割とマジで。


※次点で手の甲だが、どう見ても単なるセクハラになるから除外しとく。


 そしてそれにはシチュエーションも必要。

 つまりはまあ、それを一番堪能できるのは、腕を組んでいる状態ってこったね。

 いや、斗詩は着やせすると知ってはいたけど、実際腕を組んだら確定的に明らかだね。豊穣だね。

 ひゃっほう。これには俺もニッコリである。


「二郎様?」

「あれ、なんだっけ?」

「もう。もう……。私のお話、聞いてました?」


 ちょっと拗ねたように口を尖らせる斗詩の仕草がいちいち可愛い。可愛い。もひとつ可愛い。可愛さの詰め合わせやー。


 さて現在だが、俺と斗詩は洛陽の市街地をまったりと視察しているのだ。

 服装はごくごく質素なものにして庶人のカップルがデートしているような感じで。

 そして、埃の舞う雑踏の中で……重要な情報交換をしているのだよ。うへへ。美少女とのデートとかご褒美だぜ。

 と言う内心は斗詩にはバレバレであると思う。うむ。


 ぼそり、と俺に囁く斗詩、それに応える俺。

 斗詩の耳元に口を寄せる姿はどっからどう見てもバカップルだろうて。

 そしていかな凄腕の密偵とはいえ、そのような囁きを感知することなどできはしない。

 まあ、斗詩と顧雍が仕切る袁家の館であれば大丈夫という説もあるが、念には念を入れんとな。

 斗詩とイチャイチャしたかったし。

 それは置いといて、斗詩に聞いていたのは袁家に近づいてきた勢力についてだ。、


「皇甫嵩、ね」

「はい。今夜の宴席も、です」


 どうやら、幾度となくご招待を受けたりご進物を頂いているらしい。ふむ。

 まあ、何進とではなく、名門袁家と組んだという風評を維持するためにある程度は仕方ないだろう。


「斗詩が取り込まれることはないと思うけど、何進にいらん警戒心植えつけても厄介だな。

 だからまあ、ある程度まではしかたないけど、気を付けてな」

「はい!」


 そんな色気のかけらもない話題でもきちんと嬉しそうに受け答えをしてくれる。

 まあ、南皮じゃ二人で気軽に出歩くこともできなかったからなあ。

 そういう意味ではこの時に限って言えば斗詩にとってはリフレッシュ休暇かもしらん。

 そんなことをぼんやり考えながら、俺は斗詩とのデートを満喫するのだった。


背中で、あの柔らかさって感じれるものなのでしょうか。

体験談求むです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 背中はいいぞ? 思っている以上に触覚が鋭敏になる。 男とはそういうものだ。
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