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It My Life  作者: ひろ
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学園天国

「おい、みろよ。あの二人可愛くね」

「うわっ、すげぇ。モデルかな」

「いや、駆け出しの女優かもな」

「ナンパしようかな?」

「バーカ、俺らで落とせるわけないだろ」

「それもそうだな...」

「うん?、あれ右のやつよく見たらお岩じゃね?」

「え....あ、ほんとだ」

「んじゃ、隣は....え?貞子?!」

「嘘っ?!マジかよ!?」

「あ、でも顔の形は貞子だぞ。化粧とかして分からないけど」

「へぇー、あいつもあぁなるんだ」

「やっぱナンパするか?」

「いや、やめとこ。二人もきっと楽しんでんだろ」

「そうだな...なぁ、ジェイソン」

「なんだ、ドラキュラ?」

「お前、マスクとるとイケメンだよな」

「マスクの下も甘いマスクってか」

「自分で言うな」

 暑...くもないが、寒くもない。何百年も。生きて(?)今だに慣ないことは冷温感覚が全くないことだ。だから年がら年中同じ服を着れる。とは言っても微妙に違う服を何着か持っていたりもする。汗もかかないから臭くなるわけがなく、別に必要がないと言えばないが気分的に嫌だ。お腹が減ることも基本的にはない......、ということは無い。

 「お腹が減る」というより「物足りない」という表現が正しいが、とりあえずなにか食べたい。別に餓死するわけではないが、やはりこれは人間(元!)の欲求として大切なものだ。だから大学に行く前にサイゼに寄った。

 さだっち...「山村貞子」は「じーっ」とメニューをみている。普段あんなテレビから出てくるときは「恐ろしい形相」をしているけど、所詮女だ。やべぇ、普通に可愛い...。さだっち、マジ彼女になって...。そうだ、このあと温泉にでも行って一緒にお風呂「お岩、何見てるの?私の顔に何か付いてる??」。

 「えっ!?、あ、いや、あ!、決まったの?」。ふぅー。

 「いや、まだ決まってないけどさ...」とさだっちは手を口に当てつつ私に顔を近づけた。

「...高すぎるよここ」

「なんで?」

「だって「499円」だよ!、私そんな高いもの食べなくていいよ。普通これくらいなら「70円」くらいが関の山だって!!。お蕎麦何杯食べれるの!」


 分かってほしい、さだっち(貞子)はずーっと井戸の中にいた。たまに出るとしてもテレビの画面からだ。やはり彼女は理解していない。現在の物価も大卒初任給も。

 とりあえず、私がしっかり教育しないと...。




 とりあえず私は「ボロネーゼ」を食べ、さだっちは「やっぱ進駐軍はすごいもん残していったね!」と衝撃発言をしつつ「煮込みハンバーグ」を食べた。てか、そもそも彼女が物心ついた時点で「進駐軍」という言葉は死語だったはずだが...。


 そして、お腹が満腹になって満足したところで二人は大学へと向かって行った。


「ねぇ、お岩」

「なに、さだっち?」

「ここからあとどれくらいでつくの?」

「30分くらいかな」

「そうか~、井戸とかあるかな?」

「いや、そんな至るところに無いから井戸なんて。ちなみになんで?」

「いや、折角だからここらへんの「井戸の会」の皆さんにご挨拶でもと」

「なに!?その、変な会?」

「井戸をこよなく愛し、井戸を崇め奉る聖なる会...」

「宗教?」

「違うから。そもそも私たち自体仏様なんだからある意味仏教関係者でしょ」

「ふ、不思議な会もあるんだね」

「ちな、私名誉会長なっ!!、どやっ!!!」

「知らんがな」


 こうして私達は大学へと向かった。大学の門前には警備員が立っていたが「あの~、みなさん進駐軍の方?」とさだっちが質問する前になんとかくぐり抜けた。もちろん警備員はノータッチ。そりゃ私達の姿は現代のファッションを理解した女子大生そのものだ!!。

「さだっち!、大学だよ!!。感想は?!」

「す、すごい、大きい!!。ね?後楽園球場や明治神宮より大きいよね!!」

「うん!、間違いなく大きい!!」


 二人はそのままキャンパスへと進む。その後ろ姿は時間を感じさせないほど美しく、若かった。







「(あんな学生いたかな.....)」

「おい、前崎、交代だ」

「はい!、って石井さん、あんな学生いましたかね?」

「今の堀北真希みたいなやつか?」

「はい」

「俺もそう思ったけど、そんないちいち気にしていたらきりないぞ。あんまり気にすんな」

「そうですね」

「そんじゃ、交代な」

「はい。あ、職務中、異常及び特異事案は発生しませんでした」

「了解、職務引き継ぎます」

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