(短編)朝起きたらオヤジが離婚すると言い出して修羅場なんだが。(1,000文字)
結構ブラックなオチです。
最後まで読んでからもう一度読むと台詞の意味が変わります。
学校の通学時間のかなり前なんだが、母ちゃんの叫び声がうるさくてそれで目が覚めて起きたんだ。
食卓に行くと、父ちゃんと母ちゃんが近所まで聞こえる声で大喧嘩をしていた。
俺は慌てて止めに入った。
「父ちゃん、母ちゃんどうしたんだよ?」
「お父さんが離婚するって言ってるのよ!」
「おい、オヤジ! なんで急に別れるなんて言い出したんだよ!」
「このメス豚、浮気しやがってたんだ!」
「マジかよ! 有りえねー!」
「ここ2年も、こいつとエッチしてないのに……子供が出来たなんて言い出しやがって! 死ね!」
「母ちゃん、軽蔑するぜ!」
「しかも妊娠8ヶ月でもう堕せないらしいんだ!」
「あっちゃー!」
「こんなにデブってるから、妊娠してるのに全然気が付かなかったぜ。相手は誰なんだ? パート先の男か?」
「………………」
「黙ってちゃ、解んねーんだよ! 歳はいくつだ?」
「……17歳」
「じゅ、じゅうななさい!? ミツオと同い年じゃないか! バイト先のそんな息子と同じ歳の子に手を出したのか? 恥を知れ! この腐れビッチが!」
「……ご、ごめんなさい!」
「お前、ミツオの母親として恥ずかしくないのか?」
「すいません……すいません……」
「さすがに子供が堕せないとなるとな……もう産むしかないだろ。俺がその子供を可愛がるって言うのは精神的に無理だから、お前が出てけ!」
「少しだけでいいから、話を聞いて下さい!」
「うるさい! お前の話など聞けるか! 今日、俺が仕事から帰ってくるまでに出ていけ!」
「あなた、お願い、話を……」
「黙れ! このメス豚! お前にあなたと言われる筋合いはない! ところでミツオ、父ちゃんと、こいつと、どっちについて暮らすんだ?」
「そりゃ、オヤジだよ。金銭的にオヤジしか有りえねー!」
「ミ、ミツオ、母さんの事好きじゃないの?」
「全然!」
「前はあんなに愛してるって言ってくれたのに? あれは嘘だったの?」
「うっせーババア! そんな何時の話か忘れた事を持ち出すんじゃねー! 出てけ! メス豚!」
「ミツオ! あんたって!」
「ほら、ミツオもそう言ったんだ。とっとと出てけ!」
「キエーーーーーーーー!!!!!」
俺とオヤジに最後通告を突きつけられてブチ切れた元母ちゃんは奇声をあげて、テレビは割るわ、棚はひっくり返すわで大暴れだ!
実家までの電車賃を叩きつけ、俺とオヤジは蹴り出す様に元母ちゃんを家から追い出した。
俺の子供を宿してる元母ちゃんを。
母ちゃんは誰と浮気してたのか?
その答えを見つけてから、もう一度読んでみて下さい。
『俺』と『母ちゃん』の台詞の意味が変って来ると思います。