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片思いシンドローム   作者: KAGE。
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第2話 「先輩と後輩と顧問と漫画」

校長先生(大竹五十朗)と西明礼子と金井慶の三人は片思い解決室の担当であり、西明は化学系の教師、金井慶は倫理教師であり。結構忙しい。そして、この仕事は日給約4万円ぐらいしか貰えないので意外とストレスがたまったりする。

「金井先生?コーヒー飲みますか。」

「いや、そういえば今この解決室。何人解決したんですか?」

校長先生のコーヒーを金井慶は拒み。ふと、疑問を投げかける。

「んー、確か10人ぐらいだと思います。」

校長先生は言った

「更に、その中で付き合った例は6人らしいです。」

西明礼子が言う。

あと260人の生徒と戦うのはつらい。妻は昨日、焼き鳥を焼いてくれたから今日はのんびりカップラーメンでも食べたいと思った。現実逃避と言う。


がチャリ

ドアが開いた。今日の相談相手は1年3組の佐川麻由子さがわまゆこです。担当は西明さんです。

「私、先輩の海原俊喜朗が好きなんです。助けて下さい。」

「…本気なの?」

先生は疑問に思った。2年8組の海原俊喜朗は一年前に痴漢行為をでっち上げられてから。女性恐怖症になり女子生徒に近づけなくなった哀れな男である。最近は登校拒否状態にあると話は聞いているが、そんな男に佐川はアプローチを今でも続けている。

「どうやら、本気みたいね。いつ、好きになったの?」

「…それは。」

これは、嫌な予感がするね。



去年の夏、月島祭という学校祭に参加した時に一目惚れをした佐川はさっそく海原に声をかけた、

「あの、すいません。月島高校の方ですよね?書道展はどこでやっているのか教えてくれませんか?」

「あっ…えっと、3階です。」

「ありがとうございます、よろしければ名前を。」

「海原です。」

「海原さんですね。分かりました。」

そう言って立ち去った。その日、ツイッターでこのことをかかれてしまった。それによって彼は女子生徒を疑いだした。彼女が学校に入学して彼と出会った時には海原は1月にツイッターで痴漢行為をしたという偽情報のお陰で更に追い詰められた。彼は写影部で活動しているということで佐川はこの恋叶えるために、海原にあの日の事を謝るために写影部に入った。しかし、その事によって更にツイッターが炎上してしまった。彼は人間不信に陥りかけたが。佐川と話す時は楽しそうだった。

そして9月21日、事件が起きた。

「先輩、今日はたまにはクラス風景の写真を取りに行きましょう。」

「…あんまり関わりたくないな。」

「…そうですか。たまには先輩も話してくれませんか?先輩の事を知りたいです。」

積極的な佐川である。海原は溜め息をついた。

「中学生の頃、僕は今2年4組の中島鈴って言う人と付き合っていた。優しい人だった。けど約6ヶ月して別れた。理由が分かるかい」

「うーん、浮気ですか?」

「どうしてそうなった。」

「先輩が余り頼りないからです。そこが良いところですけども。」

さりげにアプローチするとは。プロだな!

「とほほ…まあいいや。彼女と別れた理由は携帯依存症になったからなんだ。」

「それが原因ですか?」

「彼女は変わった。僕が話しても携帯に夢中で、僕なんか置いてけぼりだから。なんか悲しくて…」

「それで別れたんですか?」

「うん、だけど彼女はそれからツイッターで悪口や嘘を書きやがった!」

海原は辛そうに叫んだ。佐川は心配そうに見つめています。

「……ごめん。こんな話に成っちゃって。」

「先輩。」

佐川は優しい笑みを浮かべて

「今は私がいるじゃないですか。」

「佐川…ありがとう。」

「いい雰囲気じゃない〜元気してる?」

「「先生!」」

顧問の先生緒多久美子おたくみこです。名前からして根っからのオタクです。漫画オタクである先生の見解

「まあ、そうだな。今日は誰か死ぬかもな。」

「縁起がわるいです。先生」

佐川が言った。


閑話休題


緒多先生は「The bad endlove Stories.」という漫画を佐川に貸した。「死亡フラグの知識でも入れとけ。」と言い残した。この先生は多分クビになるかもしれない。そう海原は思った。

その後、少し経って、とりあえず校庭の庭の写真を撮った。そして18時頃に解散となった。

「今日は一緒に帰りませんか?」

「誰もいない事を祈りたいな。」

そうやって辺りを気にしながら一緒に帰った。その日の彼女のツイートは嬉しそうで幸せそうだった。そのツイートをしたのが19時頃。家に着いた後だった。

21時彼女がフォローを確認したとき、謎の返信に気付いた。内容はすごくマイナスでまさにコメント荒らしのようなものである。彼女は怖くなった。そういえば死亡フラグの漫画をもらった気がする。あれでも読もうかと本を手に取った。その中にあるあるページを見て。彼女は本を閉じた。


ツイッターの炎上はまだまだ止みません。なかには暴言も有りました。彼女にはどうする事もできません。彼女は海原にメールを送りました。しかしメールは返ってきません。一時間、二時間、そして23時頃にメールが返ってきた。簡単でした、単純なる端書きです。

「どうやら、僕は君を困らせたみたいだね。すまない、サヨナラ。」

その文にはそれ以上の内容は有りません。その翌日から海原の登校拒否が始まった。佐川は一週間かそこらで、コメント荒らしから解放されたが。海原がいない毎日に。少し鬱に成ってしまった。

回想終了


「そんなことがあったの。」

先生は初耳だった。まあ他クラスの生徒を見る余裕なんて無いものです。

「私、海原先輩に会いたいんです。家の場所を教えてくれませんか?」

「うーん、そうだな。顧問の先生と一緒という条件でどうでしょう?」


ワンクッション


「えー、めんどくさいからパス。漫画読みだい」

「女教師が漫画を学校に持って来るなんて言語道断ですよ、緒多先生!」

「西明、お前は真面目過ぎる。そんな考えはもう古いぞ。」

この二人は意外と仲がいい同僚である。

「じゃあ今度のコミケは一人で行ってもらいます。」

「チッ!」

「あなたはいつも私が並ぶ恩恵や買い物から値切りまで、手伝っている事を忘れてはいけませんよ。」

「しゃあねぇな。うるさいから行くぞ、佐川。そうだ、死亡フラグの本、あいつ読んだかな?」

そう言って緒多先生は佐川に向かった。西明は溜め息混じりで思った。

(緒多先生なら、きっと全て理解出来るでしょうけど、この相談は今まで以上に厄介ですよ。あとは頼みましたよ。)


緒多先生は自分の大好きなアニメの痛い車を持っている。しかし、学校には持っていくと西明が冷たい視線を放つのでしょうがないから自転車で学校に来る。さっさか自転車に乗って行こうとするが佐川は自転車じゃなかった。

「しゃあねぇな、ほら!二人乗りだ!」

「えー!」

流石緒多先生!と言うか、二人乗りはダメ!絶対!

というわけでできる限り健全な小説にするためにその辺諦めてもらった。


17時頃に海原の家に着いた。家の土塀に落書きがあったりする。緒多先生はさっそくチャイムを鳴らした。先生を心配そうに佐川は見ている。家からお母さんが出てきて事情聴取した。どうやら10分前くらいに家を出たみたいでどこに行ったのかは分からないということだった。

「……佐川はどう思う?」

「先輩の行方ですか?きっと予備校ですよ。」

「…いや、何かやな予感がする。」

「どうゆうことですか?」

「佐川、あいつの痴漢の話を覚えているか?」

「でっち上げられたやつですよね。」

「ああ、で、でっち上げた奴が誰だか知っているか?」

「…誰ですか?」

「意外と近くにいるかもな…」

意味深に緒多先生は言った。さてさて、犯人は誰なのか?

「まさか…緒多先生ですか?」

「…何故そうなる?…とりあえず、あいつの元カノが怪しいという結論だったよ。会いに行ってみるか?」

つかつかと歩く緒多先生。それを追う佐川、



18時頃、中島のマンションに着いた。8階だった。さっそくチャイムを鳴らした。誰も出てこなかった。

「ちぇ。違うか。」

「先生、私お腹減りました。」

「そうだな。飯にすっか?」

という事で近くにあったレストランに入った。

「お金は実費で払えよ。」

「分かりました。あれ?」

「どうした。お金忘れたのか?」

「いえ、あれ何でしょう。」

見るとそこには海原先輩と不良たちがいた。

「どうやらたかられているみたいだな。すいません、あそこの人の近くの席でお願いします。」

「分かりました」

飯を食べながら様子を見た。その後不良たちは海原を連れてどこかに行った。

「もはや刑事事件絡みの事件に成りそうだな。海原は間違い無く退学だな。」

「そんな!なら私は学校を止めます。」

「こらこら、そんな死亡フラグ建てちゃ駄目だぜ。」

「とりあえず、警察に連絡しましょう。」

「そうだな。」

警察にとりあえずこのことを言った。


19時頃、そろそろ帰るかというところで、もう一回中島の家を訪ねた。すると中から海原の声がした。先生は舌打ちした。バックから。聴診器を取った。何故持っていたのか?

中の会話

「全く、早く教えれば良いのに。」

「これは教えられない。あいつだけは手を出すな。」

「うるさい!」

「うぐっ。教えられない。」

「全く、いいわ。明日、あなたの部室の人みんなから話を聴いてやる。」

「どう…してだ。あい…つらは。なんも悪くない。」

「じゃあなんで私と高校を変えたの!?お陰で本当に戻れない!」

「うぅ!もう戻る気はない」

「先輩!」

「!来ていたのか?」

「おやおや、あなたの恋人みたいね。ちょうど良かった。会いたかったのよ。入っていいわ。」


中島の部室は荒れていた、リストカットで塗れた壁。タバコのお陰て汚れた壁。とにかく酷い部屋だった。

「ごめんなさい。あなたの好きな人を…」

「別に良いけど、良くここがわかったわね!」

「私が調べた。去年のカウンセリング教師を舐めないで欲しいわ。」

「ふっ、まあ良いわ。」

「頼むから生徒達には手を出さないでくれ。」

「これは一種のデートDVよ。」

「ただ一方的に殴ってるだけだったけど?」

「うるさい。」

「…まあいいや。この三角関係は私には分からないから後は君らで話し合ってくれ。」

「はぁ、」

そう言って緒多先生は部屋を出てった。

「とりあえず、佐川さんは本当に海原の事が好きなのね。」

「も…もちろん。」

「そして、海原は佐川を好いているのね。」

「もちろんだよ。」

「ふぅ…分かったわ。佐川さん。海原をお願いするね。」

「えっ。」

「私と海原はもはや違う世界。もう覚悟はできた。」

「いいのか。」

「うん。」

「やったー。」

「これからも宜しく頼む。」

「ふふっ。」

さっきまで暴力を振っていた人とは思えない変わりようだった。これに気づいたのは先生だけだった。


21時頃、佐川は海原の家に入っていくのをみた。緒多先生は溜め息混じりに中島の家に戻る。そして部屋のベランダに立っている独りの女の子を見た。風の強い日に一人。誰かフラグを回収した。



一週間後、佐川と海原は月島病院に行った。理由は中島鈴のお見舞いだった。奇跡的に彼女は生きていた。

「なんで?なんで自殺何か。」

「もう、海原君に会えない寂しさから。」

「私がいるよ!いつだって会いに行くから。死んじゃ駄目。」

ビンタ炸裂

「ごめんなさい。」

なぎながら誤った。


「…青い春か」

緒多先生はあの後どうしたか。もう分かるでしょう。西明先生がお見舞いに駆けつけた。

「先生。大丈夫ですか?」

「いや、全く。両足の骨を折る重傷。」

「…私が佐川のお願いを聞いたから?」

「いや。顧問として。やりたいことをやっただけだよ。今度のコミケはお前独りで行ってきてくれ。」

「相変わらずですね。」

「なーに。漫画さえあれば。いつだって私は前向きだよ。」

そう言って空を見上げた。

そのページには、「デレたらフラグ」とか「深入りは死亡フラグ」と書いてあった。

「世の中。今日もフラグだらけだな。」

ぼそりと、緒多久美子は呟いたのであった。



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