小話 ???視点
ちょっとしたミステリー要素を追加です。
薬味で言えばネギになってればいい。
ぎぃ、ぎぃっと鈍いのに妙に甲高い金属の悲鳴を聞きながら男は口の端を釣り上げる。
赤い、紅い夕日が差し込む部屋に一定のリズムで椅子の軋む音が響く。
時折わずかに開けられた窓から生温い風が入ってきて男の頬を撫でて空間へ滲む。
男が見つめる机の上部に掛けられたコルクボードには数枚の写真。
一枚は“馬が合わない相手”であり“油断ならない相手”でもある男の写真。
もう一枚は最近見つけた面白くも興味をそそられる獲物の写真。
「 落とすんは大変そうやけどなぁ…なんや気になってしゃーないわ 」
心地よい音程の声が空気を揺らす。
独特の口調は、彼の外見に違和感なく馴染んだ。
しばしの沈黙の後に机の上に無造作に置かれた携帯電話が震える。
流行りの音楽が赤く染まった部屋で取り残されたように鳴り響く。
男は億劫そうに携帯に手を伸ばし、普段浮かべている表情とはかけ離れた顔で画面へ目を走らせたかと思うと迷いなく操作を終えた。
ピッという電子音と共に消去されたメールの画面を思い出して男はようやく緩やかに動かしていた体を止める。
じぃ、と天井を仰ぎ見るような体勢で動きを止め、深い溜息とともに低く唸るように哂った。
「 失敗や。だから『忠告』したったっちゅーのになぁ…絶対尻尾掴まれたで 」
嘲るように笑いながら男は立ち上がる。
普段身につけているものを身に纏うと窓を施錠し、簡単な身支度と室内の片付けを始めた。
最後に机の上に放り投げてあった鍵束を手にとって静かに唯一の出入り口へ手をかける。
「 まぁ、オレにはなぁんの関係も、ダメージも、損失もないからええんやけど 」
もぉ少し気張って貰わな、楽しくないやないか。
そんな呟きを残して部屋の主は夕陽に染め上げられた部屋という名の箱を後にする。
――――― コルクボードに貼られていた二枚の写真は、なんの変哲もないプリントへ姿を変えた。
似非関西弁ですいません。
なんか、雰囲気で書いてます。
なまらすんません。