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正し屋本舗へおいでなさい  作者: ちゅるぎ
九死に一生を得る、迷子
7/83

洒落にならない森林浴

 正し屋での生活(仕事?)がスタートです。



世の中上手いことばかりではありませんよねー。

.















今一度いまいちど、神様に嫌われるようなことをしたのか聞いてもいいですか。

















 私が『正し屋本舗』という一風変わった会社に就職したのは、三日前のこと。




 三日前に契約書にサインして、二日前に引っ越しを終え、昨日は町の人に挨拶して回った。

正し屋のある縁町は、古き良き日本と現代の技術をうまく組み合わせた風情ある町として有名なのは日本国民なら誰もが知っている。



 でも、聞くと実際に見るとのではやっぱり違う。

職人さんの町だって聞いてたから、イメージとしては怖い顔の職人さんだらけで緊張感にあふれてる筈だ、と思ったんだけど……凄く優しかったり、気持ちのいい人だらけだった。

仕事をしてる時はイメージ通りの顔になるんだけど、仕事をしてない時は話しかけやすいおじさんだったりおじいちゃんだったりする。

 お店を仕切っている奥さんは、気前のいいお母さんみたいな感じで、すっごく買い物しやすそうだったんだよね。

食べ物も美味しいし、景色は綺麗だし、文句なんてあるはずない。

……甘味処も多いもんね。

 

 で、だ。


 本来なら、今この時間は確実に正し屋で仕事をしている筈だった。

整理して欲しい書類があるっていってたし、その為にわざわざ最新のパソコンまで買ったから、てっきり初仕事は書類の整理とデータ入力だと思ってたのに。


 






「研修するにしたって、森はないとおもいまーす」







 なんかもー……笑うしかない。

ご飯を食べた後、出かけるから車に乗るように言われて車に乗ったまでは覚えてる。

で、気づいたら見覚えのない森の中にいた。しかも一人ぼっちで。なんだこれ。

 見覚えがないのは途中で爆睡した私が悪いんだけど、お腹はいっぱいな上に、隣から優しい感じの美声で「時間がかかりますから、眠っていても構いませんよ」なんて言われたら即寝落ちだと思う。


 一人寂しく、森の中で小さな主張をしてみたけど、やっぱり何の返事も突っ込みも帰ってこなかった。

うぅ…虚しい。せめて友達と一緒なら豪快かつ華麗に突っ込んでくれるのに!!







「にしても、なんで森なんだろ?事故ったって訳じゃなさそうだしなぁ」







だって、事故なら近くに車が転がってたり、血痕的なものがあってもおかしくない。


それに事故るなら大体は崖とかに気付かなくってバーンっ!ってなると思うんだけど勿論、崖なんてない。

 ちょっとした溝?とか段差みたいなものはあるんだけど、それで事故るとは思えなかった。

だって、木が生い茂ってる所為で車が通れるような幅がない。

立ち上がって周りを見渡してみたけど、湿ったような土と苔の生えた太い木が無数に生えているだけだった。

 地面に倒れてる木もあるんだけど、座る気にはなれない。

まだ日中なのに殆ど陽の光が差し込まない所為で、カビとか生えてそうなんだよね。

座った瞬間にぬめっとして、つるっといったらやだし。








「て、うわぁあ?!なんでこんなとこに木が……れ?木じゃない」









 

 何かに躓いて、どうにか転ばずに済んでほっと胸をなでおろした私の視界に飛び込んできたのは、初の人工物。


 頑丈な作りで、なんだか沢山お菓子が入りそうな登山用リュックサック。

誰のだー?落し物ですよー!なんて叫んでみたけど、当たり前のように返事はなかったから、中身をちょーっと見せてもらうことにした。






「なんか生きるのに必要なものがいっぱい入ってる……って、この高そうな封筒!須川さんの手紙だ!」






 私の中ではもう、高そうなもの=大体須川さんの仕業っていう方程式が完成している。

一緒に買い物するには悟りが必要なんだよね。


 いそいそと手紙をあけて薄暗い森の中で読み上げる。

普通なら声に出して読んだりしないんだけど、声でも出さないとやってらんないんだよ。察して欲しい。








「むー、なになに―? 『 優君へ  突然ですが、この森を自力で抜けていただきます。用意したのは水と方位磁石(特別製なのでなくさないように。森を出られなくなりますよ)、地図と食糧、あとは携帯用の図鑑が2冊、携帯鍋、ナイフ、御守りと懐中電灯です。火をつけるマッチも入っていますが、山火事にならないように後処理はしっかりしてください。貴女なら多分、恐らく、八〇%程度は大丈夫だと思いますが十分気を付けるようにして下さいね。健闘を祈っています   PS.到着地点は食事が美味しいことで有名な旅館です。甘味も用意しておくので頑張ってくださいね 』 って、な、なんか突っ込みどころ満載過ぎて、突っ込む気力がまるでおきないんですけど」









 ちらっとカバンの中身を確認したけど、確かに手紙の内容通りのモノが入っていた。

その他に、よくよく調べてみるとリュックには寝袋や毛布も括り付けられてるし、着替えも2着はいたから物凄く困るってことはない。

 地図で確認したら川沿いになんとなーく歩いていけば大丈夫っぽいし、川さえ見つかればこっちのものなんだよね~。

有難いことに、今いる現在地のところに印もある。

西とか東とか北とか南とかって地図で見てもさっぱり分かんないけど、方位磁石があるし……大丈夫、だよね?


















 あ、でも結局ここがどの辺の森なのかさっぱりわかんないままじゃね?なんて気づいたのは五分後でした。










.

 やっとアップできたー!!

み、短いけどいい…よね。うん、だって章の始まりだし!

うぅ、一日に1話更新を目標にしてるんですけど…執筆速度って上がらないモノですねぇ(遠い目



なにはともあれ、ここまで読んでくださってありがとうございました。

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