光の旅
掲載日:2026/10/17
差し出された左手には
カーテン越しに揺れた陽だまり似た蝶々がみえたから
思わずそっと手を重ねた
左手に感じるぬくもりが
心臓にまで届く
手を繋げば遠くまでゆける
そう胸の奥にまでスッと届いた
あの歌声のあたたかさを忘れずに
瞳から放たれる光を透して
大きな白い壁に何を映そう
観る世界はひとつでも見え方はひとつじゃない
仄かに頰を明らめて
空を小さくなって泳いでゆく雲の行方
日々の泡立ちが散り散りに消えて
幕が下りてゆくと
澄んだ夜空が広がる
幕下に灯る家々の窓灯り
木の葉を揺らすざわめきが
星座の合間を通り抜けて
遥か彼方懐かしいような
記憶の光が羽ばたきながら届き続ける




