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森の創造館の主は、今日も騎士を癒している  作者: 桜桃
癒しの場所を守り続けます

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第24話 僕と狙い

「悪魔の弱点……このくらいしか分からなかった……」


 テーブルの上には、聖水とお経、それから光を反射させるための鏡。

 僕の知識で準備できるのは、このくらいだ。


「悪魔って純粋な心に弱いらしいし、物で準備できるのはこれくらいか……」


 一番効果があるとされているのは、聖水。

 でもこれは、僕の創造で作ったものだ。

 本物ほどの力があるとは思えない。


 小瓶を軽く振る。

 中身は、ただの澄んだ水にしか見えなかった。


 ……これ、本当に聖水なのかな。


『――主』


「ん? どうしたの、クニー」


 クニーが耳をぴくりと動かし、外へ視線を向けている。


 声が硬い。

 もしかして、何かが近づいてきている?


『森で大きな戦闘が始まっておる。ここにも被害が及ぶかもしれん。必要最低限の物を持ち、外へ出るぞ』


「戦闘!? 誰が!? 大丈夫なの!?」


『分からぬ。だが、危険が迫っているのは確かだ。急げ』


 クニーがここまで言うということは、ただ事ではない。


 僕は聖水の小瓶だけを掴んだ。

 他は必要になったら創造すればいい。


『主よ、馬を作れるか?』


「え? 作ったことはないけど……生き物だし。作っても大丈夫なの?」


『理論上は問題ない』


「でも……」


 理論上は問題ないとは言っていた。


 けれど、その先に何が待っているのかは分からないとも言っていた。

 それなのに、なんでいきなり馬?


 正直、怖い。


 生き物を創るなんて、責任が重すぎる。


『馬くらいなら作っても特に問題はない。数多く作り出したりしなければな。生き物で作り出してはならぬのは、人間や悪魔だ』


 そ、そうなんだ。


 人間や悪魔は、何があっても作らない。


 数多く生き物を作り出す予定もないし、多分作れない。


 怖くて。


「そ、そうなんだ。でも、なんで馬?」


『人間の足では限界がある。迅速に移動するためだ』


「でも、僕……馬に乗れないよ?」


『……なんと』


 前世では体が弱かった。

 乗馬なんてしたことがない。


 クニーが驚いていると、外から蹄の音が聞こえてきた。


 ――パカパカ。


「……馬の足音?」


 早い。

 まさか、もうここまで来たのか?


「ク、クニー……」


『この気配は……まさか』


 クニーが扉へ向かう。


「クニー! 危ないよ!」


 止める間もなく――バタン!


「ひゃっ!」


「クリエント!! 大丈夫か?!」


 驚きで変な声を上げていると、聞き覚えのある姿に肩の力が抜けた。


「……リ、リヒトさん!?」


 扉を開けて入ってきたのはリヒトさんだった。

 額から血が流れている。


「リヒトさん!? 怪我してる!」


「問題ない。それより、今すぐここから離れるぞ!」


 両肩を掴まれる。

 いつも冷静なリヒトさんが、ここまで慌てている。


 何が起きてるの?


 怖い。


 体の震えが止まらない。


「……すまない。怖いよな」


 優しく抱きしめられる。


 温かい。


 震えが少しずつ落ち着いていく。


「……説明もせず、すまなかった」


 少し離れ、目を合わせる。

 藍色の瞳が真剣だ。


「今、森で悪魔同士の戦闘が起きている」


「悪魔同士?」


 コクンと小さく頷く。


「ヴァロワ家の悪魔、グラットニーが襲撃してきた。そこへ別の悪魔が現れ、現在足止めをしている」


「別の悪魔……?」


『リヒトよ。その悪魔の名は?』


 クニーが片手を上げ、問いかけた。


「ナナシが、グリードと呼んでいました」


 その瞬間、クニーの目が輝く。


『そうか。とうとう、ご主人様が動いたのだな』


 ご主人様。


 クニーの本当の主であり、僕をこの世界に呼び寄せた、世界一の召喚士。

 つまり――味方?


「じゃあ、安心……」


『安心するのはまだ早い』


 クニーの言葉に、リヒトさんも頷く。


「クリエントは、悪魔という存在をどのように認識している?」


「え、に、認識?」


 悪魔をどう認識しているかと聞かれても、悪魔としか言いようがない。


 僕の困惑が伝わったのか、リヒトはすぐに言い直した。


「聞き方を間違えた。クリエントは、悪魔をどこまで理解している?」


「えぇっと……この世界の住人と契約し、悪だくみを繰り返す――みたいな感じなのかなとは思っています」


 考えながら答えると、リヒトさんは頷いた。

 よかった。間違えていなかったみたいだ。


「あながち間違えていない。ただ、悪だくみ程度で済めばよかったのだが、今回はそんな可愛いものではないらしい」


「そ、そうなんですか?」


「はい。それと――気づかないか?」


「え、何を、ですか?」


 僕は、何を見落としている?


「悪魔が我々を足止めするために動いた。騎士である我々を引きつけている間、契約者――ケント・ヴァロワは何をしているのか」


 ――っ!


「え……つまり?」


「狙いはもう、一つしかない」


「……まさか」


 ケント・ヴァロワが、今、この瞬間――僕を狙って動いている?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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