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お出かけと名前呼び

「なあ、委員長って休みの日何してんの?」

黒崎は、そんなたわいもない話を霧島に持ちかけた。

「そうね、、勉強か本を読むくらいかしら」

「うえ〜つまんなそ〜、、」

「悪かったわねつまんなそうで」

黒崎は大体予想はできていたが、本当につまらなそうだったのでつい本音が出てしまった。

「なんか趣味とかねえの?」

「ないわよ」

「う〜ん、、、」

あまりにも真顔で真剣に答えられるので黒崎は少し困っていた。別に聞いてどうしようとかはなかったのだが、あまりに夢がないので少し悲しくなってしまった。

「友達とかとは遊んだりしないの?」

「遊ぶ友達がいないわね」

「そ、そうか、、」

何を聞いてもいい返事が返ってこないので話題を変えることにした。

「んじゃあ今度の休み俺と遊びに行こうよ」

「はい?」

霧島は急に誘われたため困惑してしまった。

「そんな休日に勉強なんかしてもつまんないだろ?たまには息抜きも必要だ」

「あんたはいっつも息抜きしてそうだけどね」

「うっせえな」

相変わらずトゲのある霧島である。

「んで、行くの?行かないの?」

「あんたがそこまで行きたいなら行ってあげるわ」

「はいはい、楽しみすぎて寝坊しないようにな〜」

「た、楽しみなんかじゃ、、!いや楽しみだけど!えっと、、その、、うるさいわよ!!」

「お前ってとりあえずうるさいって言っとけばなんとかなると思ってるだろ、、」

「うるさいわよ」

「はい」

とてつもない険悪な顔で睨まれたのでこれ以上は何も言わないことにした。

「、、、デートするの?」

「違う」

「ち、違うわよ」

突然出てきた蒼空にそんなことを言われたので2人は一瞬で否定した。

「えー?委員長はまんざらでもなさs」

「ぶっ飛ばすわよ」

「はいすみません」

とんでもない殺気を感じたので何も言わないことにした。


放課後、黒崎と蒼空は2人で一緒に帰っていた。

「それにしてもデート何するの?カラオケとか?」

「だからデートじゃねえって言ってんだろ、ただ2人で遊びに行くだけだ」

「世の中ではそれをデートと呼ぶのでは、、?」

「俺たちは違うんだよ」

「へぇー、じゃあ俺も行っていい?」

「お前は委員長が嫌がりそうだからだめだ」

「とか言って2人きりで行きたいんじゃ?」

「ぶっ殺すぞ」

「きゃあ怖い」

恐ろしいほど怖い顔で言われたので、蒼空は一応怖がった。

「龍ちゃんがそう思ってなくても、向こうはデートだと思ってるかもよ?」

「あいつに限ってそんなことないだろ」

色恋沙汰など欠片もないような委員長だ。そんなこと思ってるはずがない、と黒崎は思っている。

「まあなんでもいいけど精々楽しんできなよー」

「ああ」

そんな会話をして2人はそれぞれに別れていった。


日曜日、2人は駅で待ち合わせをしていた。

「15分前、まあちょっと早いけど待てばいいわよね、、」

遅刻しないか心配で少しばかり早く来てしまった霧島である。

「メイク変じゃないかしら、?」

実は今日黒崎と遊ぶことを星宮に話したところ、

「え!じゃあ私が髪の毛とメイクやってあげるね!!」

と言われたのでやってもらったのである。

「変じゃないといいのだけれど、、」

普段メイクなど全くしない霧島であるため、自分で見てもイマイチ周りにどう見えているのか分からないのだ。

「まあいいわよ、変なこと言ってきたらぶっ飛ばしてやるわ」

そう意気込んだ霧島である。

「あ、委員長おはよう」

「うわ!びっくりしたわよ!」

急に背後からやってきた黒崎に霧島はかなり驚いた。

「よっしゃ!んじゃ早速行くか!」

「そうね」

そうして2人はお出かけを始めた。

「まあとりあえず腹減ったから飯食うか」

「それがいいわね」

遊びに行くとは言ったが、実は特にプランも何も決めていなかった。なので行き先で思いついたことをしようと思っていた。

「いらっしゃいませー」

「2人で」

「かしこまりましたー」

「結構落ち着いた雰囲気の店だな」

「そうね」

店内の雰囲気は、ファミレスだがカフェっぽい感じでオシャレで落ち着いた雰囲気の店だった。

「お決まりになりましたらコールボタンでお呼びください」

「はい」

「委員長何食う?」

「私はパンとお茶でいいわ」

「んじゃ俺はチーズハンバーグにしよっと」

「すごいわね、、昼から重くないのかしら?」

「委員長こそパンだけってこの後大丈夫なのか?」

「私は平気よ」

「ならいいけど」

霧島の体は細くガリガリとまではいかないが、かなり痩せている方である。

「それにしても今日はメイクしてるんだな、珍しい」

「わ、私だってメイクぐらいするわよ」

「めっちゃ似合ってんじゃん、毎日学校それで来たらいいのにな〜」

「そ、そうかしら、、?でも学校は勉強するための場所。そういうのはしないようにしているのよ」

「うわ、委員長はやっぱりクソ真面目だ」

「ねえ」

「なんだ?」

「ここは学校じゃないんだから委員長じゃなくて、その、、名前で、、」

「ああ、確かに」

言われてみれば学校では委員長だがプライベートでは1人の女の子だ。学校じゃない休みの日まで委員長呼びは確かに違和感があった。

「んじゃ、玲奈って呼ぶか」

「、、、!そ、そうね、、」

「顔真っ赤だけど、名前呼ばれて照れてんの?笑」

「照れてないわよ!」

霧島は言われて速攻で顔を隠した。

「りゅ、、りゅ、、黒崎くん」

「いや俺だけ苗字はおかしいだろ」

「仕方ないでしょ!慣れないんだもの!」

「俺は玲奈って何回でも言えるけどな」

「うるさい!」

そんなことを話していると注文している品が届いた。

「こちら、クロワッサンと紅茶のセットと、チーズハンバーグになります」

「お、きたきた」

「おいしそうね」

「それと、今カップルキャンペーンでパンケーキをプレゼントさせていただきます!!」

「はい?」

「わ、私たちカップルじゃ、、!」

「ま、まあ貰えるもんは貰っとこうぜ、」

「そ、そうね」

そうしてカップル用のどデカいパンケーキをプレゼントされた。

「あんたにあげるわよ」

「いや俺甘いもん好きじゃねえし、玲奈の方が甘いもん好きなんだから玲奈にあげる」

「いやでもこんなにデカいの、」

「玲奈が食べないなら残すけど、玲奈はパン1個しか食べてないしお腹減るだろうから玲奈が食べなよ」

「そんな玲奈玲奈言わなくていいわよ!!わかったわよ!!食べるわよ!!」

「どうぞ〜」

霧島は食べたくないという気持ちより恥ずかしいという気持ちの方が勝った。

「お、美味しいわねこれ、」

「お前食うのはや」

ちょっと目を離すと気づいたらパンケーキが半分まで減っていた。

「ダイエット中なのだけれど、、仕方ないわね、」

「お前ダイエットしてんの?そんな細いのに?」

「見た目に出なくても数値には出るのよ!」

「いやでもお前はもうちょい肉つけた方がいいくらいじゃないか?さすがにこれ以上ダイエットしたら痩せすぎだと思うけど」

「あんたには関係ないでしょ」

「んまあそうだけど、、心配というかなんというか」

霧島は触ったら折れてしまいそうなくらい細くて小さい女の子だ。これ以上細くなるととうとうごぼうになってしまうのではないかと心配なのだ。

「あ、あんたはどっちの方が好きなのよ」

「ん?何が?」

「だから!その、、痩せてる方がいいのか少しは肉がついてる方がいいのかってことよ!」

「ん〜、、、どっちでもいいかな!」

「何よそれ、、」

「結局は好きな人だったらなんでもよくね?」

「あんた多分めんどくさいタイプね」

「ありゃま」

相変わらずの黒崎の言動に、少々呆れた霧島であった。






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