テスト終わりとファミレス
「あ〜、ようやくテスト終わった〜...」
黒崎のいる学校は中高一貫校である。そのせいで黒崎は学力が低いのに、周りの平均レベルが黒崎にとっては高いため、テストの度に苦労をしている。
「お疲れのようね。ところで、テストの出来はどうだったのかしら?」
疲れてクタクタの黒崎の元に、険しい表情の霧島がやってきた。
「さぁ?まあ別にどうでもいいや」
「どうでも良くないわよ!私が教えたからには赤点なんて取ってもらう訳にはいかないの!」
「別に教えろって言ってないし、、それに中学の時全教科点数1桁だった俺がいきなり赤点回避出来るわけなかろう」
黒崎は中学の頃全教科でほぼ最下位をキープし、下界の頂点に立っていた。
「高校からは留年もあるよ!?そんな呑気に言ってる場合じゃないわよ!」
「はぁ〜めんどくせえ〜」
そんな黒崎が何故もっと学力の低い高校を選ばなかったかと言うと、単純に学力的に行けるところがなかったからだ。それに不良であるため高校からの評判も悪く、受け入れてくれる場所がなかった。しかし中高一貫校だと、めんどくさい受験もしなくてよく、無条件で入れるためこの高校を選ぶ以外なかったのだ。
「そんなことよりお前はどうだったんだよ。高校でも1位取れそうか?」
「安心しなさい、全教科100点取れば1位よ」
「うわきも、、」
「なんでよ!!」
とても同じ作りをしている人間とは思えない発言が出たため、黒崎は普通に引いてしまった。
中高一貫制に苦しめられている黒崎だが、実はそれほど悪い事ばかりではない。
「玲奈っちおはよーー!あ、龍っちもおはよ」
「今日も相変わらず元気ね、姫華」
「なんで俺はついでみたいな感じなんだ?」
とても元気でギャルっぽい見た目をしている女の子、星宮姫華がやってきた。
「あーごめんごめん玲奈っちが可愛くて見えてなかったや」
「か、可愛くないわよ!」
「謙遜してる玲奈っちも可愛いー!」
「う、うるさいわよ!」
星宮は、黒崎と霧島の中学の頃からの友人である。このように中学から高校にそのまま上がってきた人が多いので、比較的顔なじみが多いので友達には困らなかったりするのだ。
「玲奈っちー!テスト終わりのご飯行こーー!」
「わ、わかったからくっつくのやめて...」
スキンシップの激しい星宮に、霧島はいつも苦しめられている。
「あ、一応龍っちもくる?」
「んー、、、なんか面倒くさそうだしいいかな、てかなんだよ一応って」
行ったら星宮の元気パワー(?)の餌食になりそうな気がして面倒くさい感じがしたのだ。
「なによ、せっかくテスト頑張ったんだし来なさいよ」
「もしかして玲奈っちと2人っきり!?やったーーー!!」
「い、いいから来なさいよ!」
「あ、そゆことね」
星宮に抱きしめられ苦しんでいる霧島にヘルプを求められたため、黒崎も同行することにした。
放課後、黒崎たちはファミレスに来た。
「なに食べよっかなー」
「お前も来たんだな」
黒崎、霧島、星宮の他に山田蒼空も来た。黒崎とずっと同じクラスだったため、蒼空はこの2人とも面識がある。
「なんか龍ちゃんがハーレム合コンしようとしてるから邪魔しようかなって」
「うん、別に合コンではないな」
「俺が女の子全員かっさらっちゃおうかなって」
「あなたは来てもハズレ枠なんじゃないかしら」
「なんか委員長俺に当たりつよくない!?」
やはり蒼空には当たりが強い霧島である。
「逆にあなたは自分を当たり枠と思っているのかしら?」
「ふ、これでも小学中学は結構モテたんだぞ??」
「あら、その身長で?」
「パンチラインが強えんだよ!」
どう言い返そうともパンチが帰ってくる霧島に蒼空は圧倒された。
「んー、私は結構背低い人好きだよ!!」
「星宮さん、、!」
救いの手が差し伸べられ、蒼空はときめいていた。
「あら、どの辺がいいのかしら?」
「んー、なんか小さいと猫みたいで可愛くない?小動物って感じで!」
「思ってたのとなんか違う気がする...」
自分が思っていた感情とは別の感情を思い浮かべていた星宮に、蒼空は少しガッカリした。
「逆に玲奈っちは背高い人の方がすきなの?」
「ええ、低いよりかはいいわね」
「ふーーーん?」
「なんで俺の方を見るんだ?」
霧島の答えを聞いた瞬間、星宮は黒崎の方を見た。
「別にーー?龍っちって背高いなーって」
「べ、別にこいつはただでかいだけよ!」
「今そういう話をしてるんじゃないのー?」
「そうだけど、、!そうじゃないのよ!」
「?」
よく分からない話をしている2人に、黒崎は少々困惑していた。
「じゃあさ!じゃあさ!龍っちはどんな人がいい?背低い女の子?」
「別に好みとかねえけど、その人にあってればいいんじゃね」
「んーー、、じゃあ髪型とかは?」
「髪型かーー、」
そんなこと今まで考えてみたこともなかった黒崎なので、自分の好みがよくわからなかった。
「玲奈っちのポニテ似合ってて可愛いよねー!」
「わ、私は別にオシャレとかじゃなくて髪が邪魔だから縛ってるだけよ!」
「まあ、似合ってはいるな」
「な、その、、うるさい!!」
「ええ、、褒めたつもりなんだけど...」
不意に褒められた霧島は、条件反射で言い返した。
「あんたはいい加減金髪やめなさいよ、、一応校則違反なのよ?」
「だってなんも言われねえし」
「あんたが先生に言われても直さないからもう呆れられてるのよ!」
中学の時から金髪の黒崎は、先生に何度も言われようと聞く耳を持たなかったので、既に諦められていた。
「それに、、委員長の私が金髪のあんたと一緒にいると変な目で見られるのよ、、」
「別に一緒にいなければいいんじゃねえの?」
「それは嫌、、じゃなくて!えっと、、あんたといないとなんか落ち着かないのよ!」
「玲奈っちって龍っちのこと嫌いに見えて大好きだよねー」
「だ、大好きじゃないわよ!こんなやつ!!」
霧島は星宮を手でポコポコ叩いた。
「玲奈っちは金髪と黒髪どっちが好き?」
「断然黒髪よ、金髪だとなんかチャラい感じするじゃない」
「へぇ、だってさ龍っち」
「なんでわざわざ俺に言うんだよ」
一体何がしたいのかよく分からない星宮に困惑する黒崎である。
(黒髪かー、たまにはいいかもな)
特に深い意味は無いが、ちょっと黒髪にしてみようかと思った黒崎だった。




